第374話 新造艦指示書

一度止めた造船の為に、急いで絵図面を書く。


図面と言っても構造指定などまでの専門知識はない。


そのため外観の絵と言った方がよい絵図面。


全長100メートル


全幅11メートル

 

マスト3本


乗員予定数35人


大砲3×2・左右舷設置・合計6門


最速快速帆船カーティーサークやサーモピレーをモデルにした、木造帆船だ。


平成時代に宮城県石巻市のサン・ファン・バウティスタ号を見学して帆船について少し調べたときの知識を思い出しながら書く。


蒸気船が主流になる少し前に造られる帆船末期の最速快速帆船カーティーサークやサーモピレーなどの外観を思い出す。


その書いた絵図面を力丸に見せると不思議がる。


「なぜに、今さら木造船なんですか?」


当然だ。なんせガレオン船型鉄甲船を造る技術を持っているのだから。


「理由は速さを求める船を建造する。鉄甲船では速度に限界がある、そこで木造船だ。支配した島々なら最低限の軍備の防御で、最速で行き来するほうが求められる。実際、今、当家は北は樺太、南はオーストラリアに行く必要がある。そのために急務なのは速さのある船だ」


「なるほど、輸送連絡船と言うわけですね」


「あぁ、そういうことだ。鉄甲船は信長様に任せてうちではしばらくは高速輸送連絡船を増産し、南北の行き来の時間をちじめる事を目標とする」


「確かに木造船なら工期も短くて済みますから、わかりました。すぐに現在造っている船もこの形にそぐ得るよう造り二番三番と増産いたしましょう」


サン・ファン・バウティスタ号も造船期間はたったの45日、今の当家の大工集団・鍛治師などの匠集団と船大工をもってすれば二ヶ月もあれば完成出来る。


無駄に美少女萌門などで鍛えているわけではない。


高速輸送連絡船型木造帆船・青龍丸・白虎丸・朱雀丸・玄武丸の製造を指示した。


もはや南蛮の船と言うより独自の進化を遂げた船の建造になっていた。

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