第371話 茶々からの贈り物(オーストラリア開発編2)
「御大将、補給船より武器弾薬、食糧の他にお方様からの茨城城から贈り物が来ています」
と、義康が知らせてくれた。
ニューカレドニアで休息をしたあとケアンズ城で執務をこなす日々、日本から送られてくる物資の割り振りなどを羽柴秀吉、伊達政宗、前田利家、蒲生氏郷、柳生宗矩の拠点に手配している。
「おっ、そうか、何が届いた?」
「お酒みたいですよ」
届いた箱を開けると、藁を緩衝材に敷き詰めた中に、
『鹿島御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』
『息栖御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』
『香取御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』
『御岩神社御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』
『笠間稲荷御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』
『筑波山御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』
『大洗御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』
『神峰御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』
『大宝八幡御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』
が、10本ずつ入っていた。
手紙を読むと口噛み酒から変更して、女子学校生徒達による清酒に変更して、神社境内から採取した水で仕込み御祓いをした清酒を巫女が描いた瓶詰めで販売する事にしたと書いてある。
「おっ、なるほどな。茶々もなんだかんだ美少女萌を理解したのか?」
ちょっと勘違いをしながらも、理解してくれたのか?と、嬉しさがこみ上げてきた。
「ん、萌はわからないが美少女萌は俺の代名詞になっているから、泊が付いて売れる・・・・・・」
残念、理解はしてないのね。
「変わった生き物を送る際は、必ず餌、育て方、適した環境を詳しく記載してください。武丸達は喜んで世話をしておりますから送って頂けることには反対は致しませんが、悩みます。っか、ごめんなさい」
そりゃそうだよね、初めて見る生き物詳しく説明しなきゃだめだよね。
俺は平成時代にかみね動物園やアクアワールド大洗や、アクアマリン福島で普通に見たことある生き物だし、テレビでもちょくちょく見てたから何を食べどのような環境で生きてるかは想像できるが茶々達は違うんだよな。
反省しないとな、これから送る時には注意しようってか帰りたいな。
そろそろ一度帰るか。
お酒になっていても慣れ親しんだ水で作られた『鹿島御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』を飲んでいると頭には常陸の美しい風景が頭をよぎった。
酒を持って前田利家の城に行くと前田利家は算盤を弾いていた。
「右府様いかがなさいました?」
算盤で集中している前田利家のかわりに松様が対応してくれる。
「えっと、製鉄や造船所を見たく一度日本に帰りたくあとを利家殿に頼みたいのですがよろしいですか?」
「えぇ、もちろん構いませんよ。そう言えば御礼がまだでしたね。このようなおもしろい土地に来れる機会を与えてくださりありがとうございます」
「ははは、松様は好奇心が旺盛でお若い心をお持ちですね」
「あら、身も若いつもりですよ」
「それは何より」
と、雑談混じりに話していると切りが良い所になったのか前田利家が気が付いた。
「これはこれは右府様、いかがなさいました?」
事の次第を言うと、
「秀吉より私にですか?」
「利家殿だから頼めるのですよ。いまいち秀吉殿は苦手で」
「ははははは、なるほど、悪いやつではないんですがね、今も南の大きな川で米が作れないか頑張ってますよ、昼間は田畑、夜は子作り」
「元気いっぱいですね」
「右府様も子作り頑張って下さい」
「利家様、右府様は子沢山ですよ」
「おお、そうだったな、松、我らも励むか?」
松様は珍しく真っ赤な顔をして恥じらっていた。
俺は豪州統制副将軍に前田利家を任命して、ケアンズ城には佐々木小次郎と残りたいと希望する最上義康を残し一路日本に向かった。
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