第370話 私は、茶々2

茨城城留守を預かる茶々。


「姉上様、マコからなんか届いたよ」


茨城城には九鬼水軍の補給船から黒坂真琴から木箱二つが届いていた。


それを茶々に伝えるお江。


「何かしら?異国の宝石とかかしら?毛皮?造形品?」


「ん~なんか、生きてるっぽいよ、ギャーギャー鳴き声聞こえるし」


「なら、変わった食材かしら?」


木箱を開けるのに立ち会う二人。


木箱の蓋を取ると、


「ん?鳥?ん?変わってるわね」


「姉上様、マコから手紙も入ってたよ。白黒のがフェアリーペンギンで海で泳いで魚を餌にする鳥で、茶色でくちばし長いほうがキウイって言う飛べない鳥でミミズとか食べるって、動物園で可愛がってくれって書いてあるから食材ではないみたい」


と、手紙を読み可愛らしい姿の二種類の鳥に目を輝かせるお江とは裏腹に茶々は頭を抱えていた。


「どうやって飼えば良いのよ、あっ、リリリわからないかしら?」


リリリが呼ばれる。


「え~と、知らないだっぺ。ごめんなさいだっぺ」


「リリリが謝る必要はないのよ、真琴様が詳しい飼い方書いて来ないのだから」


そう大人たちが悩んでる間に、子供たちは可愛らしい姿から追いかけ回し抱っこしてはつつかれていた。


「母上様、めんどうみるから飼わしてください」


と、武丸。


それに他の子達も同調する。


逃げ出そうとするフェアリーペンギンとキウイは樺太犬の太郎と次郎に周り固められて逃げられないでいた。


太郎と次郎は頭が良くむやみに噛んだりはしない。


主人の武丸が大事そうに抱えているならなおさらだ。


「飼うけど飼い方がわからないのよ」


「母上様、父上様に手紙を書いて下さい」


「そうね、飼い方を聞かなければ、それまで生きられるかしら?とにかく、海水の池と生きた魚を用意させて、力丸頼みましたよ」


短絡的に行動する真琴の行動を補佐する茶々と力丸は悩みが多い。

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