第372話 帰国

1595年8月


長い船旅を終え約2年半年ぶりに帰国する。


鹿島港に着くと、鹿島港には造船所が完成し一隻の船が造られていた。


「お帰りなさいませ」


と、力丸が迎えてくれた。


「ただいま帰った。造船所出来たんだね」


「はい、本多正純が次はこの船に乗って俺もついて行きたいと申して大急ぎで造っていましたよ」


「そうか、本多正純か、特にオーストラリアで珍しく美味い物と言うのはないのだがな、カンガルーやワニ、エミューに海鮮が豊富なくらいで」


「それでもたべたいのが本多正純です」


なるほどな、料理につられてうちで働いてる事はある。


「しかし、この船、少し待ってはくれぬか?旧型南蛮鉄甲船のようだが改良を加えたい」


「はい、ならしばし船大工達には休みを与えましょう」


「そうしてやってくれ」


三割がた出来ている旧型南蛮鉄甲船の造船を一度止める指示を出し、茨城城向かう。


じめじめした暑さはやはり日本独特の暑さ、それに懐かしさを感じながら茨城城に向かおうとすると、北浦から利根川、そして霞ヶ浦に抜ける水路が完成したので船で移動出来ると言う。


1586年から続いた河川大改修工事により霞ヶ浦・北浦・利根川は俺の知る平成時代の形となっていた。


日本国第二位の湖を中心とする水路で結んだ第二の都市、それが俺の構想だ。


第一の首都は琵琶湖を水路で結んだ安土城、第二の副首都を茨城城、俺の夢。


一歩二歩と近付いている。


霞ヶ浦は30人乗りほどの小さな帆船が往来するようになっており五隻が、霞ヶ浦鹿島湖と茨城城港を結ぶ、その船に乗り茨城城港を目指した。



【以前出した利根川・北浦・霞ヶ浦の描写は修正予定です。すみません。】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る