第347話 一斉出産

1592年12月24日


お江、小糸、小滝、ラララ、リリリ、鶴美は何かの力が働いたのか?と疑問に思えるほど一斉に朝から産気づき、城内は朝からてんやわんやの大騒ぎ。


俺は一人、城内の神社の祭殿に祈るのみ。


「どうか、母子共に無事で有りますように、ただただ、それだけをお願いつかまつります」


珍しく雪降る12月24日、平成時代ならホワイトクリスマスなどと喜ばれる日、6人は一斉に出産した。


夕方には産所も落ち着き、寝所に移ったから会えるとお初が教えに来てくりれた。


「マコ~誉めて」


と、ちょと力なさげに言ってくるお江、


「ああ、皆無事に産んでくれてありがとう、本当にありがとう」


「御主人様もったいなき御言葉」


と、小糸


「産めたことこの生涯の喜びに御座います」


と、小滝


「やっと産めましたですです」


と、ラララ


「可愛い女の子だっぺ」


と、リリリ


鶴美疲れ果てたのか寝ていた。


「皆に名付ける。

お江が産んだ男の子を香取神宮の神にあやかり、経津丸(ふつまる)、

小糸が産んだ男の子を息栖神社に神にあやかり、久那丸(くなまる)、

小滝が産んだ女の子を大洗磯前神社の神、大国主の別名からあやかり、八千(やち)

ラララが産んだ女の子をハワイの神の名からあやかり、カーネ、

リリリが産んだ女の子をハワイの神の名からあやかり、ラカ、

鶴美が産んだ男の子を酒列磯前神社の神からあやかり、須久那丸(すくなまる)とする。皆、神様の御加護の下すくすく育つ事を願ってだ」


「読み方は今回は少し難あるけど、やっぱり意外にまともな名前を付けるわよね」


と、いつのもごとく、お初に言われてしまった。


流石に三太・九郎諏などは考えてはいない。いくらクリスマスだからってね。


今年の正月は賑やかな年越しになりそうだぞ。



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