第345話 帰城

 鹿島港から入港して陸路を進む。


カンガルー、ウォンバット、陸ガメは籐丸籠に入れて運ぶと街道には物見見物がいっぱい出てきた。


うちは農民達もフレンドリー


「殿様、なんで御座いますか?その生き物は?」


と、声をかけてくる。


「オーストラリア大陸と言う新しく手に入れた大陸の生き物だ。いずれは皆に見せれるようにしたいと思うから今日は通りすがりを見てくれ」


俺は動物園と言うか保護施設を構想している。


この世界に来て、ニホンオオカミと朱鷺を見たからこそ考えている。


今回は平成でも生きている生き物なので参考にはならないだろうが、少しずついろいろな生き物たちを生育したい。


大航海時代から産業革命が起きる時代に多くの生物が、滅亡している。


今の俺ならそれを助け後世に残す事が出来るのではないかと、考えている。


・・・・・・古代文明だって、滅亡されたばかりだから、その直後の子孫がいるのだから、復興の可能性はなくない。


そんな事を考えながら変わらない茨城城に入城すると、俺を出迎えるより武丸・彩華・仁保はカンガルー、ウォンバットに走り寄っていった。


直接悲しい。


「「「「お帰りなさいませ」」」」


茶々達はちゃんと出迎えてくれた。


お江、小糸、小滝、ラララ、リリリ、鶴美は大きなお腹を抱えていた。


「ははは、みんな妊娠したのか?」


冬俺は体調を崩したあと回復しても仕事が減らされていた。


その間に子作りを励んだから当然の結果だから


「右府様、お帰りなさいませ」


「あっ!松様もしかして、また手伝いに来てくれたんですか?」


「えぇ、常陸に来ますと毎回おもしろい物が見れますから、今回も期待通りで異国の生き物なんかを見れるなんて、素晴らしいです」


「あっ、あの、松様、その大陸開発の一人に前田利家殿の名をあげたので行く事になるかと」


「あら?そうなの?楽しみだわ」


松様、好奇心旺盛なおばさんだ。不安はないのだろうか?それよりも、


「茶々、次の渡航に向けて準備がいろいろ必要なのだ、すぐに取り掛かってくれ」


「わかりました。ご指示ください」


城に入って先ずは伊達政宗に書状を書いた。


「伊達政宗、オーストラリア大陸開発者として次の渡航に同行を命じる。しかと、準備せよ。豪州統制大将軍・右大臣黒坂常陸守真琴」


と、書状を書き最上義康に使者になってもらい持って行かせた。

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