第344話 帰国

1592年10月3日


大阪城港に入港するが俺は補給だけをし、急ぎ常陸国鹿島港を目指した。


半年でオーストラリア大陸を日本にする初手を打った俺は次の準備を開始しないとならない。


そのために急ぐと言うか、それだけでなく船に乗せてある動物が限界にきている。


狭い船内に閉じこめられたストレス。


オジサンみたいな動物は寝転がってばかりはいない。


跳ね暴れてる。


「なぁ、お初、無理に連れてこなくても良かっただろ?カンガルー5匹にウォンバット7匹も」


「姉上様達にも見せたいじゃないですか、本当はコアラを連れてきたかったのに、食べ物があの木の葉しか食べないって偏食過ぎて」


コアラは数種類あるユーカーリの葉しか食べない。


確かに偏食過ぎる生き物だ。


「私は捌いて食べたほうが」


と、桜子が言う。


「うん、食べるのは弱ってからにしような」


今回、カンガルーとウォンバットと陸ガメがお土産だ。


一応ペットの予定、食料の予定ではない。


鹿島港を出発したときだった三隻は一隻の帰還。


沈没したわけではなく、一隻はオーストラリア大陸西側に行った柳生宗矩、一隻はケアンズ城留守居役に任命した佐々木小次郎に任せてある。


他には信長直轄艦隊がその下に付いて残っている。


もし俺が不在時に南蛮の国の船が来たとしても一戦は交えることは出来るだろう。


織田信長も大阪城港で造らせている船を急がせて俺に配備してくれると言っている。


次の出航に合わせていろいろ準備をしなければならない。


アボリジニと約束してある常陸萌陶器、伊達政宗への同行命令、丸太からちゃんとした城にするための建築資材、大工の手配、ケアンズ城に補充する武器弾薬、などなど大仕事だ。


そんなことのメモを取りながら進む船は3日後、無事に鹿島港に帰還した。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る