第333話 南の領土

 グアム島からさらに南下すること4日、1周2キロ程と海からでもおおよその全体を見える島に、織田信長直轄南蛮型鉄甲船戦艦二隻が停泊し、島には織田信長の旗印が見える。


俺はその島に近づき空砲を撃った後、小船で使者五人を送る。


使者に出したのは佐々木小次郎達家臣だ。


一時間もしないで戻ってきて、 


「常陸様の上陸は許可されているので歓迎すると申しております」


「ん、なら上陸する」


その小さな島は、島から切り出された木なのだろう、それで砦が作られていた。


「黒坂常陸だ」


そう言って上陸すると、


「お久しぶりに御座います。関東の乱のおり同じ船に乗っておりました九鬼嘉隆が家臣、瀬戸内太郎、この島の代官を勤めております」


と、出迎えた人物は確かに一度は見たことがある。


「この島は?」


「はい、無人島でしたので占領いたしました。なんでも、常陸様が島を占領するよう提案なされたとか」


あぁ、言った。


平和的に領土拡大する提案、無人島なら占領、そうでないなら割譲してもらう、小島を買い取る、港のみを買い取りをしていく、それが俺の戦略的友好的平和的領土拡大。


そうした拠点を所々に作り、航路を作り最終目標はオーストラリア大陸占領なのだ。


オーストラリア大陸の占領はまだどこもしていないはず。


意外にもオーストラリア大陸占領はずっとあとの時代であるのを歴史の授業で習っている。


だからこそ穴場な大陸であり、地下資源も豊富な魅力的な大陸なのだ。


「信長様は?」


「はっ、これより南の大陸、密林に覆われた大陸を占領すべく攻めております」


ん?俺の占いでは織田信長はパプアニューギニアにいるはず、ん?密林?あれ?もしかして織田信長、間違ったとこに攻めこんでる?


パプアニューギニアは必要なのは東西の半島だけが欲しいところなんだけどな?


「先を急ぐ、水と食料を分けて貰えるか?」


「はい、幸いな事に真水が沸き出しておりますので大丈夫にございますが、食料は亀や海獣の干し肉などですが大丈夫ですか?」


「亀でも海獣でも分けて貰えるならありがたい」


海獣?南の島の海獣?


干し肉を作っている現場を見せて貰うと、まな板に乗っていたのは、ジュゴン?マナティ?愛くるしい顔の海獣だった。


まぁ~仕方がない。


水族館で可愛い姿を見たことが有るだけに、心がチクリとするが現地調達しないと食料は持たないので仕方がない。


食料を分けて貰い、織田信長本体と合流すべく南へと急いだ。

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