第329話 行方不明
「いかがされたのですか?急な呼び出しとは」
俺は安土城の天主で、まだ寒い琵琶湖を見ながら織田信忠と二人で話す。
「父上様の消息がわからなくなった」
そう言って肩を落としながら話す信忠。
「どこに向かわれて消えたのですか?」
畳には俺が書いた世界地図の複製が広げられている。
正規品は織田信長の船の中に飾ってある。
「南に向かわれたのは、わかっている。琉球からさらに先の南の島に行ったのは出入りの南蛮人から聞いているのだがわからなくなって約半年が過ぎた」
「半年?そうですか、それほど行方不明とは信長様だけが行方不明?」
「いや、艦隊全艦船30隻が不明なのだ」
「あぁ、それなら生きている可能性高いと思います。いくら何でも全部は消えないと思うので」
「だとは思いたいのだが・・・・・・、探しに行ってはくれぬか?」
「言うと思ってました。わかりました。行きましょう。何かあるのなら助けなくては、俺は織田信長と言う人物が好きだ、だからこそ生死ははっきりさせたい」
そう返事をすると、信忠は俺の手を
「頼みます」
と、力強く握ってきた。
俺は安土城内にまだある自分用の屋敷に入り、自分用の世界地図を広げる。
「闇雲に探しても見つからない、使った事が無かったが占うか」
世界地図の周りに黒の碁石を5つ並べる。
五芒星を描くように並べ、
「祓いたまへ清めたまへ守りたまへ幸与えたまへ力貸し与えたまへ、鹿島に住まいし我が力の源、武御雷大神よ我に力を貸し与えたまへ、織田信長の行る場所を指し示してください」
白の碁石を地図に投げると石は一度太平洋の真ん中に落ちたと思うとズリズリと動き出した。
そして、一点に止まり五芒星の光は消えた。
「まじか~うわ~なんか、泥沼の戦してないと良いけど、行くしかないか」
その白い碁石が指し示した場所はパプアニューギニア島だった。
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