第323話 特別編・女子会・精力剤開発

 小糸と小滝は子種欲しさに毎日、真琴に精力のつくものをと台所で悪戦苦闘していた。


トドの金玉薫製漢方薬を飲ませたり料理に混ぜたり、毎日牡蠣料理、自然薯料理を作る日々。


「最近、御主人様料理に飽きてきてませんか?お姉様」


と、小滝は今日も全部入りカレーを作る小糸に話しかけていた。


「確かに毎日毎日この料理だとねぇ」


と、そこにやはり子種が欲しいラララとリリリが参戦する。


「ハワイだと海蛇など精力をつけるために食べたりしますですです」


「日本にはいないか?だっぺ」


と、少しずつ日本語に慣れてきているラララとリリリ。


「海蛇ですか?常陸国、常磐物では聞かないですね、温かな海でなければいない生き物なのでしょうか?」


と、小糸は首を傾げどうやって入手しようか考えていた。


「お姉様、海が駄目なら山があります。蝮を食べさせたらどうでしょうか?」


と、小滝が言う。


「あっ!それが有りましたね、幸村様にでも頼んで手に入らないでしょうか?」


と、小糸が言っている中、台所の脇でみかんを食べていたお江は、


「ねぇ、そもそもマコって精力つけなくても夜頑張らない?」


「「「「え?」」」」


「みんな一晩で何回してる?私は寝る前に二回、朝起きて一回してくれてるよ」


「あっ、私もです」


「私も」


「私もですです」


「私もだっぺ」


と、四人は同じだった。


「マコは精力はあるから思うに、マコにこれ以上不味いの無理無理食べさすより、毎日美味しい料理食べさせていたほうが良い気がするのよね」


「そうで御座いますね。間違っていたかもしれません。御主人様はちゃんと子種をおくれになってくれていましたのに申し訳ない事をしてしまっていました」


と、小糸は鍋のカレーをかき混ぜながら言っている。


「なら、この薫製漢方薬は毎晩粉薬に飲んで貰うぐらいにしましょう」


と、小滝。


「そうですねです」


と、ラララ。


真琴はこの日を最後に精力料理三昧から解放された。


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