第321話 笠間稲荷神社・美少女萌狐朱塗山門

 年の瀬を前に左甚五郎から笠間稲荷神社の山門が落成式を行いたいと連絡が入ったので参列することにした。

 

水戸街道は山内一豊により整備が進み陸路も太い道路でつながったため移動も楽になっているため、旅行がてらで行く。


そのため、仕事の合間があるお江、小糸、小滝、ラララ、リリリ、鶴美も牛車を改造して作った馬車に乗る。


馬車も試験的に生産を開始している。


家のそう言う物を作るのは左甚五郎率いる黒坂家お抱え大工集団。


馬車・・・・・・側室達が使う目的なので萌えない装飾なのだが、龍や鳳凰が飾られているため昭和の霊柩車みたいになっていた。


内装は畳が縦に九枚並ぶ九畳の広さがあり、側室達全員移動にも出来る馬車、馬は四頭引きだ。


俺は馬に乗り100人の護衛と共に笠間に向かう。


一泊、水戸城で山内一豊夫妻の歓迎をうける。


大洗が近いので海の幸、刺身が食べられると期待していたが全て火が通った魚介類だった。


美味いのは美味いのだが、残念だ。


山内一豊は山に移したほうが良い気もするが、水戸の町の発展と水戸街道の発展に貢献しているためむやみに領地替えが出来ないところが悩みどころだ。


次の日に笠間に向かう。


山道も街道が整備され旅路は順調に進む。


・・・・・・?


やらかしました。


誰が?


今回は俺は指示していない。


左甚五郎と笠間稲荷神社・神主・佐伯昆々に任せたのだが、大鳥居をくぐり見えてきたのは朱塗りの大きな山門の上の部分には、16体の狐が美少女化した彫刻が彫られていた。


それはまるで平成歴史史実線で見た日光東照宮の三猿の彫刻のように、人間の一生を表しているかのような彫刻。


そして、門・・・・・・?


俺は左甚五郎に参考下絵をいろいろ渡してあるのだが、そこからチョイスされたのは、冴えない○女の○てかた?


左も門戸には霞ヶ○詩羽が巫女服姿の白狐化している、しかもないはずなのにストッキングまで表現され、右足を「舐めなさい」と言わんかのようにつきだしている。

右の門戸には、加○恵が、「なんだかな~だよね」と言いたげなにこやかな笑顔で参拝客に微笑む感じだ。


なんだかな~なのはこの門の彫刻だよ!


知らぬ間にやらかしてるやん。


そして、門の中央になぜか眠り猫みたいに澤村・ス○ンサー・英○々が下を睨めつけていた。


澤○・スペ○サー・○梨々ルートがないから妬んでいるのか?と、思ってしまう。


下絵だけで、何かを汲み取る天才・左甚五郎には見聞色の覇気でも持っているのではないかと思ってしまう。


「いやいやいやいや、俺はその好きだから良いのだけど」


と、門を眺めていると


「良いでしょう」


と、佐伯昆々が出迎えた。


「いや、神主が良いと言うなら構わないのだけど、良いの?」


「はい、これを見たさに参拝客も増えましてございます。子供達が毎日この門の周りで楽しげに遊んでます。神社は神様を敬う場所では有りますが近付きがたい場所ではいけません。親しまれる場所でなくては」


「なら、良いのだけど」


お江とラララ、リリリは喜び、小糸と小滝と呆れ顔、鶴美は、


「こんなの神社じゃない~」


と、言って走って逃げてしまった。


「お殿様、落成式に際しまして名を付けていただきたいのですが、この山門の名を」


と、佐伯昆々は言う。


俺はじっくり山門を眺め、


「美少女萌狐朱塗山門と名付けよう」


「はっ、良き名ありがとうございます。寄進していただき誠にありがとうございます」


「神主殿、狐様は火を扱う神でもあるので、当家の製鉄・陶器業の安全を末永く祈って下さい」


と、俺が言うと、


「もちろんの事、末永く発展いたすように拝ませ続けさせて頂きます」


と、言ってくれた。


この日、落成式は盛大に行われた。

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