第320話 反射炉・製鉄
城に帰ってきて数日、執務をこなしていると反射炉の完成と製鉄を行ったとの報告があがってきていた。
執務の合間をみて那珂川の河口近くに建てられたら反射炉を視察に行く。
反射炉は平成歴史戦で、ひたちなか市にある復元反射炉と瓜二つの物が完成して、煙をもくもくと出し続けていた。
「殿様、製鉄は出来たのですがどうも質が良ろしくないのですよ。脆くて、このままでは大砲などには使えません」
と、出来上がっていた鉄を見せて報告してくるのは反射炉製造責任者である、国友茂光。
「脆い鉄?ん~不純物が多いって事かな?燃料って石炭だよね?」
「はい、政道様が領地で採掘を始めたばかりの石炭ですが」
「ん~、・・・・・・あっ!石炭ってそのまま使わないんだよ。えっと確か蒸し焼きにして不純物を取らないと製鉄には向いていないんだよ」
「蒸し焼き?それは炭を作るようなことにございますか?」
「そうそう、確か蒸し焼きにした石炭をコークスと言って、それは不純物が除かれて製鉄に使えるんだよ」
「なるほど、ではすぐにそのコークスとやらの生産を試作してみます」
石炭には硫黄などの不純物が含まれていてそのまま製鉄に使えば、鉄に余計な成分が混ざってしまう。
ましてや日本の石炭は不純物が多い。
日本の石炭埋蔵量は平成の終わりでも相当量あるが、廃れた理由は石炭の質が良くない、埋蔵地層が深く採掘が困難、露天掘りの海外産のほうがコストが安いなどの理由で廃れた。
しかし、ちゃんと加工すれば使えなくはない。
うちは耐熱煉瓦も自作でその焼き物技術で、陶器作りも盛んになっている。
そのため炭作りだって盛んになっている。
その技術職人が集まれば作ろうとしている物が明確なら、作り上げることは出来る。
試行錯誤を重ね、この後半年後にコークスの製造に成功し一年で反射炉による製鉄は軌道に乗る。
常陸国の一大産業に発展していく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます