第316話 第二弾樺太開発その5
8月、蕎麦の白い花が、粟、稗の茶色の花が咲きほこっていた。
もともと、寒さに強い作物を風や気温対策をする事で順調に生育している中、トゥルックのお腹も順調に育ちトゥルックは8月8日丸まるとした男の子を産んだ。
「ありがとう。トゥルック、俺の子を産んでくれて」
「名を付けて ください」
子の顔をじっくり見る。
オッドアイ、左目は青く右目は黒い髪は黒色。
産まれたばかりなのにカッコイい。
よくよく見ているとなぜか北欧新話に出てきそうな息子。
「男利王(オリオン)と、名付けたいが良いか?」
「父から 聞いたこと あるような たしか夜空に住む 神 そのような 名 きいたような」
と、トゥルックは言う。
「夜空に悠然と輝くオリオン座は見つけやすく、俺が一番好きな星座なのだが、駄目か?」
「いえ よろしいです オリオン」
横になっているトゥルックの代わりにオリオンを抱いているお初が、
「やっぱり、名前はまともなの考えるわよね。確かにこの顔だと異国の名前のほうが合っているもの」
と、寝ているオリオンの顔をのぞき込んでいた。
それをお江と小糸と小滝が羨ましそうに見ている。
「マコにあの海獣の男根・玉々をいっぱい食べさせる料理を小糸ちゃん小滝ちゃんいっぱい作ってよ」
と、何やら変な会話が聞こえた。
「やめてくれ、あれ、美味しくないから」
「いや、臭みならカレーに入れてしまえば良いのでは?」
と、小糸が言うと小滝が、
「そうですわね、姉様、カレーにあれを大量に入れて・・・」
その日から俺は毎日のように、トドだかアシカだかの男根・玉々の入ったカレーを食べるよう強要された。
精力をつけろって言われてもこれにそんな効果があるのかが疑問だったが真面目な顔で作ってがっつり食べてくれって言う真剣な三人を前に食べざるを得なかった。
美味しくないんだけど。
「あのな、精力付けさせたいなら亜鉛と言う成分が重要だから、牡蠣とかが良いんだぞ」
うん、失敗した。
次の日から毎日、牡蠣が食卓に並ぶ。
牡蠣御飯、牡蠣入り味噌汁、牡蠣のフライ、牡蠣の天ぷら、牡蠣の刺身。
で、必ず海獣の不味い生臭さが抜けない料理と共に。
「う~、唐揚げ食べたい」
と、言うと次の日には海獣の男根・玉々唐揚げが出てくる日々。
お初は
「自業自得よ、小糸と小滝も子供欲しいのに他に種まきしてるからよ」
と、言いながら鮭のチャンチャ焼きを美味そうに食べていた。
くぅ~俺も普通に鮭の塩焼きで御飯食べたい。
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