第315話 第二弾樺太開発その4

 トゥルックの母親で村長のルカタンは日本語と言うか大和言葉は通じない。


トゥルックに通訳になって貰い、トゥルックを側室として正式に迎え入れたいと申し入れると、二つ返事で、


「アナタは帰ってくるのをわかっていた。トゥルックは満月になると悲しい目をして思い出さないようにしていたみたいだが、私は信じていた。アナタの目はそう言う目だ」


と、言われ、トゥルックの側室は了承された。


樺太では俺は樺太城が住居になっているので、樺太城に迎え入れたかったが村で産みたいと言うトゥルックの意志を尊重して村に住居を建てることにした。


もちろん、ドーム型御殿なのだが左甚五郎に任せた。


俺の側室の為の御殿。


結果的に、美少女がやたら彫られたドーム型御殿になった。


うん、農政改革に集中していて任せていたら左甚五郎は気を利かせてくれたのだ。


常陸国のようには材料は豊富な訳ではない。


ただ、木は大量にある。


それに彫刻を凄まじい早さで彫っていくのが左甚五郎。


気が付いたときには時すでに遅し。


三角パネル全てに美少女が彫られた組み上げられたらドーム型御殿、5つのドーム型住居が廊下でつながった御殿が完成した。


お初とお江はいつもの事だとなんとも思っていない。


トゥルックは目を輝かせていた。


「ヒタチさま ステキです」


意外にもトゥルックは萌えの理解者だった。


「ヒタチさま このような彫刻 ふゆの仕事に したいと思います。 ひだり様に 手解き ムラビトにして貰えませんか?」


「ああ、もちろん構わない。甚五郎頼んだ」


・・・・・・なぜか美少女が鮭を豪快に咥えている彫刻が完成してしまった。


ごめんなさい。


熊の彫刻ルートはなくなったようです。


祖父母の家には子供の頃、ブラウン管テレビの上に鎮座していた熊の彫刻を目にしていたが、その北海道定番土産は誕生しないみたいです。


トウテンポールみたいな夫婦?の木彫り人形も美男子と美少女化してしまいました。


う~、タイムパラドックスがよくわからないけど、お祖父様お気に入りのあのヘソクリ隠す人形も美少女化した木彫り人形になるのだろうか?


う~、気になる。


ごめんなさい。


お祖父様。

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