第312話 第二弾樺太開発その1
1591年5月
10日間の船旅は無事に終わり、約7ヶ月ぶりに樺太島留多加港に足をおろした。
島はまだ、雪が残り寒い。
新しい和式愛闇幡型甲冑、気密性の高い甲冑を身にまとい船を降りると北条の兵士達は流石に南蛮型鉄甲船の旗で俺の船団であるのがわかるので槍を構えたり弓矢を向けたりしては来ないが困惑している様子。
スライド式の面を上にあげると、俺に気が付き片膝を着いて出迎えてくれた。
「皆、冬を越せたようだな」
「はい、常陸右府様にいただいた食料と、あの半球型の家のおかげでなんとか越せました」
島を離れるときには二軒だけだったドーム型住居は四軒に増え、物見櫓の上もドーム型になっていた。
パッと見、まるで天体観測でもするのか?と、言う感じだ。
「今年も雪降るまで、樺太開発をしに来た、食料も積んでは来たが今回は何とか収穫までこぎつけたい、幸村、すぐに取りかかってくれ」
幸村に指示を出すと幸村のもとには去年も一緒に畑仕事をした者達が集まり再会の挨拶をしていた。
「トゥルックの出迎えあると思ったんだけどなぁ」
と、小さく言うと後ろにいたお初が、
「誰ですか?」
と、鋭い眼差しを見せている。
「ほら、太郎と次郎をくれた友達だよ」
と、俺が言うと、すぐに、お江が
「ん~友達って感じではないけどなぁ~」
「お江、それはどう言う事ですか?」
と、お江にお初が詰め寄る。
「増えそうな側室」
と、言いながら笑っている。
お初の目がつり上がる。
「お江、そんな事ないからの、うん、ただの友人だぞ」
「え~そうかな~、たまに二人で消えてたし」
「やめてくれ、お初にチクるのやめてくれ」
お初は今にも腰の刀を抜きそうな程目がつり上がっていた。
トゥルック、元気かな?
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