第307話 御人形
武丸は綿が詰められた玩具の刀を振り回し始める頃、彩華の仁保はお人形遊びを始めている。
子ども達の成長は早い。
彩華と仁保が遊んでいるお人形が可愛くない。
能面みたいな顔。
俺の美的感覚に反する人形だ。
夜中見たら動き出すような無表情の怖い顔。
俺は、絵筆を取る。
それは女子高生でありながら創造神なのでは?と、言う美少女と、自称宇宙人美少女と、自称未来人美少女だ。
それを子供対応型として、スクール水着を着せた状態のを書く。
そして、人形創作師を呼んでもらい作らせる。
大きさは身長30cm
それに合わせてうちの学校の生徒に色々な服を作らせる。
そう、着せ替え人形だ。
人形は2ヶ月もすると完成した。
うちの芸術分野は妥協を許さない。
長が左甚五郎、副長が狩野永徳なのだから、人形師もそれに見合うレベルなのだ。
全身稼働人形が完成すると、彩華と仁保はそれで着せ替えをしながらおままごとを始めた。
創造神、宇宙人、未来人。
それを武丸羨ましそうに見ていたので、自称普通地球人と自称超能力者の男の子も作らせると、武丸も交ざっていた。
そこに太郎と次郎も参加させられるおままごとはシュールだった。
子供達のおままごと遊びは別に良いのだが、作らせた人形が学校の生徒達を通じて人気になり増産が開始され一大産業になりだして出荷が始まってしまった。
すまない。
日本人形は廃れた。
フィギュア人形が主力となってしまった。
ん~マズい気がするが売れるのだから仕方がないだろう。
最近、あっちこっち寄進したり城を築城して少々、蔵の金も減ってきたので商売を優先した。
一松人形さようなら。
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