第263話 茶々の許可

 茨城城に戻る。


茨城城の大手門で馬を降りると牛車に乗っていたラララとリリリが口に両手を当て驚きの表情。


そりゃそうだ、茨城城自慢の名工・左甚五郎作、鉄黒漆塗風神雷神萌美少女門。


風神雷神の美少女が描かれた門に驚く。


「ラララちゃんも、リリリちゃんも、こんなんで驚いてたらマコ部屋なんかに入れないよ!入ったら気絶しちゃうよ」


と、お初はケラケラと笑いながら言う。


ラララとリリリはさらに驚いてる。


その門が大太鼓がドンドンドンドンと鳴り響き門がゴゴゴゴゴ、と開くと門番が、


「御大将の御帰城に御座います」


と、大声を上げる。


門を潜ると、茶々達が列になり出迎えた。


「ただいま帰った。お~武丸、彩華、仁保元気でチュか~」


と、抱かれている息子達に声をかけると武丸はムスッとした顔で手を挙げる。


彩華と仁保は笑顔でキャッキャッキャッキャと喜んでくれる。


うん、武丸、大物の貫禄。


「お帰りなさいませ、で、増えましたね?」


と、茶々がラララとリリリを見て言う。


「うん、そのだな・・・」


と、説明しようとすると、


「みなまで言わなくてもわかりますよ。それに義父上様からは早馬で知らせが来ましたから」


一を説明するのに十を言わなくてすむのが茶々だ。


「許してくれるか?」


「私が許さなかったら信忠様に断られた二人はおそらく、信雄様と信澄様の所に離れ離れとして行かれるようになるのでしょう、異国に来て、ただでさえ心細かろうにさらに姉妹を離す程、辛さを味あわせる訳にはいきません、もちろん許しますよ」


「そうか、すまねな」


「悪いことしてると思っていないのでしょ?謝る必要はありません」


と、しっかり目を見つめ力強く言う茶々とは裏腹に、お初が


「うりゃー」


と、尻を軽く蹴ってきた。


「異国の女ねー、好きなんでしょ?こんな感じの姫?」


と、図星を言ってきた。


「う、うん」


額から汗を流し流しながら頷くと


「みなとの約束は守りなさいよ、誰か一人だけを可愛がるようになったら刺すからね」


「お初、冗談になってないから、ラララとリリリだ、お供の老夫婦二組も着いてきている、茶々頼んだ」


ラララとリリリにはお供として、ハワイから初老の夫婦が二組着いてきている、こちらは言葉がなかなか通じないが頭だけは下げている。


「ラララでござりますです」


「リリリともうすんだっぺ」


と、言う。


「はい、よろしくお願いしますね。まずは言葉から直さないと、誰が教えたんですか?」


と、茶々も笑いをこらえていた。


ラララとリリリは側室になった。





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