第227話 伊達のお・も・て・な・し・8

 次の日には義殿は料理を振舞えたことに満足したのか帰っていった。


帰り際に、羽黒三山神社で祈祷してもらったと言う水晶の数珠をくれた。


確かに清いすがすがしい気を感じる数珠を俺はありがたく受け取る。


帰った後、一っ風呂浸かっている。


小糸と小滝もお世話をすると言って付いてくるので仕方がなく湯あみを着ることで同浴を許可した。


二人を洗い場に座らせておくにはまだ肌寒い季節、風邪をひかれるのも嫌なので、入浴してもらう。


しばらく、のんびりと湯に体を溶け込ませている。


春風と鶯の鳴き声を聞きながら。


『佐波古の湯 鶯が声 心地よき』


また一句を読む。


やはり俳句のほうが読みやすいななどと一人自画自賛していると。


ガラッ


と、突如引き戸が開いた。


慌てて大きな盥に入れて浮かべてある小太刀を手にし、そちらを向くと見慣れた顔だった。

 

「あ~マコ、浮気してる~」


「お江、どうした?」


「姉上様達が、浮気するだろうから見てこいって言うから来たのに~やっぱり、舐め舐めお化けは舐め舐めしていないといられないですか?」


「おっと、勘違いするな、この二人はまだ舐めてないぞ」


と、小糸と小滝を見る。


「はい、御主人様がおっしゃられるようにまだ夜伽はしていません」


「私も、まだお情けは貰っていません」


と、お江は珍しくきつい目で二人を睨んでいる。


「落ち着け、お江、この者は二人は・・・・・・」


と、事の次第を説明する。


「そっか、あおいちゃんたちと一緒か、うん、わかったよ、で、二人とも出て、ここからは私の役目だから」


と、お江はその場で裸になる。


まあ、同衾すると言うか、子作りをする仲、関係のお江の裸だから見たことはあるが、昼日中にお天道様の下で見る美少女の裸は神々しく尊い。


お江は、軽く体を流して入ってきて俺のすぐそばに来て、右腕に抱き着いた。


「マコとお風呂、マコとお風呂」


と、喜んでいる。


のんびり入れていたのにと少し残念な気もあるが、いやいや、考え方次第では明らかにこちらのほうが贅沢なのだろう。


右腕に伝わってくる、お江の柔肌の感触は名湯よりも良い感触なのだ。


久々なので、ムラムラ感が・・・・・・。


「マコ~こんなところで・・・・・・」


と、しっぽりとしてしまった。


まあ、お江は側室・第六夫人なのだから問題はないのだが、お天道様の下と言うのが背徳感があり萌え燃えた。


お江は茶々達が俺が、湯本でしばらく逗留するのを聞いて身の回りの世話と浮気の監視をするように命じられて来たとのこと、おそらくはお初が来たかったであろうが、茶々が身重な為、茶々の代理としての仕事と茨城城守衛奉行の役目を全うするため、お江を使わせたのだろう。



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