第203話 温泉
「常陸様大変です」
と、執務をしていると本多正純が部屋に入ってきた。
本多正純は、徳川家康が帰ってからも茨城城勤めをしている。
「どうした?」
「湯が湯が湧きまして御座います」
「でたか?」
「はい、あの櫓から沸き出しました」
上総掘りと言う技法の井戸掘りの櫓、24時間フル人力で掘り進められていた。
約700メートル管を入れたところで、湧き出したらしい。
見に行くと、麦茶のような少し茶色の湯が管からドプンドプンと湧き出している。
「まさか、殿様の陰陽力が当たるなんて奇跡だ」
「凄い温泉がでたぞ~黄金の湯だ」
と、掘っていた人足達が喜んでいた。
「お疲れ様、おー本当に出たね、しかもちょうど良い温度じゃん」
お湯を触ると、少し熱い50度くらいだろうか沸かす必要がないくらいの温度。
「よし、ここに風呂、湯御殿を作る」
と、言うと後から来たお初に、
「真琴様に任せるとろくなの作らないから私が作るわよ、左甚五郎を借りるわね」
と、言う。
見透かされていた。
「なら、まかせるよ、岩風呂の露天風呂と室内の風呂でを頼む、風呂の深さは立って入る位の湯と寝転んで入るくらいの湯の二種類を頼みたい、あと竹管でも使って、城下の宿屋に湯を分けて」
「はい、わかりました」
住まいに源泉かけ流し温泉って贅沢だ。
取り敢えず、この日は今まであった風呂に汲み入れてもらった。
桜子が背中洗いに来たので一緒に。
良い風呂だ。
お湯を少し舐めてみると塩味がする。
茨城に多いナトリウム塩化物泉なのだろう。
体が良く温まる。
今年の冬は温かく過ごせそう。
「御主人様、あの子種をいただけないでしょうか?」
と、言って俺の下半身を撫でてくる桜子。
「ここでか?」
「はい、昔から温泉には子宝の湯などと呼ばれるところもあります。だから、ここで」
触られてしまった下半身は反応してしまっていたので、初の温泉で桜子と子作りをしてしまった。
いろいろな意味で気持ちが良かった。
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