第193話 萌え秘密会議

左甚五郎と狩野永徳が働いている工房にこっそりと入る。


「殿様、いかがいたしました?」


と、大工総取締役奉行の左甚五郎。


「俺の部屋の事なのだが」


「は、はい、今、装飾を作り始めるところですが」


「城の本丸の全体的装飾、お初達の反対で無難な装飾になってしまったでしょ」


と、俺が言うと二人は口をパカッっと開けあれが無難な装飾なのか?って呆れた顔をしている。


俺が目指しているのは、襖絵1枚1枚に萌え萌え美少女を描きたい。


欄間だって、美少女フィギアを列べたい。


そこで、デザイン画を二人に見せると、二人は頭を抱えて絶句していた。


「まさか、これを作れと?」


「まさか、これを描けと?」


「あぁ、そうだ。俺の部屋にする天守最上階を全て美少女を全面にする」


「・・・・・・殺されます」


と、左甚五郎は青ざめている。


「首と胴体が・・・・・・」


と、狩野永徳が首を押さえる。


「ならないから、大丈夫だから、されるとしたら俺だから大丈夫、お初は下の者に理不尽な裁定はしないから」


と、俺が書いた下絵の裏に俺は『作事指示、黒坂真琴』と署名した。


そうすれば、見つかっても俺が命令したことは明白。


俺は俺自信の言動には責任を持ちたい。


「わかりました。殿様がそこまでして、命を懸けて望む物、私が彫り上げて見せますってんだい」


て、左甚五郎は腕捲りをした。


「新しき絵、描いてみたい気はあります。このような美的感覚は初めてなので面白きとは思います。書いてみましょう」


と、狩野永徳も絵図をマジマジと見ながら目を輝かせていた。


「殿様、外側も工夫して装飾しますか?あの門のように」


「え?出切るのなら、頼みたいね、鬼瓦とかもこう言った感じとか出来ないかな?」


「この左甚五郎、大工総取締役奉行として、この天守を殿様の好みに合わせた見たこともないものにして見せます」


と、何やら張り切っている様子。


「では、頼んだよ」


今、建てられている天守の装飾を秘密裏に頼んだ。


お初達にはそれぞれ仕事を与えた今だからこそ、秘密裏に作れるはず。


俺が平成で住んでいた部屋の再現だ。


ポスター・タペストリー・カーテン・萌え美少女で埋め尽くした部屋の再現を天下の名工と左甚五郎と狩野永徳に頼んだ。


三人寄れば文殊知恵などと言うが、出会ってはいけない組合せで三人が集まってしまっては、悪夢の知恵か?


萌えを愛する俺、新しき彫刻を彫りたい左甚五郎、新しき絵を目指す狩野永徳。


天守の魔改造、結果はどの様な物が出来るだろうか。


黒の下地に金の虎を装飾されたと言われる豊臣秀吉の大坂城みたいになれるのだろうか。

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