第188話 左甚五郎作・美少女彫刻印籠

執務に追われる毎日の中、一日二回、朝と夕方に新土浦城を歩いてみて回るのを日課にしている。


流石に新土浦城は大きすぎて全部を見て回る時間はないが、大手門の風神雷神美少女は必ず一度は見に行く。


毎日見ても飽きない作り、春風に吹かれ散る桜の花びらが、また違った演出となり一枚の絵になった。


それをスマートフォンで写真を撮る。


奇跡的に動き続けている耐衝撃型スマートフォンを目立たなくするため、左甚五郎に木箱のケースを作ってもらった。


しかも、組み木細工で開け方は作った左甚五郎と俺しか知らない。


カメラのレンズの穴とシャッターを押すための最低限の穴しかもうけていない。


その木箱には、もちろん、美少女が彫刻されている。


眼帯を着けた魔女っ子、めぐ○ん。


俺は高校生時代、ラノベを書きながら挿し絵も練習していた。


その為、好きなキャラはそれなりに書ける。


それを具現化出切る左甚五郎が家臣にいる。


その、め○みんの彫刻の小さな眼帯をずらしてから、帽子をずらして、服をずらす、そしてブラジャーをずらして、パンツをずらす。


この手順をしないと開かない箱はパッと見ると変わったデザインの印籠、薬入れのように見える。


なので、スマートフォンと言うあまりにも異質な物には見えないのだが、それをいろいろな場所でかざしたりしていると家臣達は不思議がっていた。


こう言うときには俺には好都合な言い訳がある。


「陰陽の祓いだ、気にするな」


そう言えば、誰もが納得していた。


陰陽力を使い織田信長に助力する、軍師と知られる俺には好都合。


この箱のおかげで撮影の頻度はあがった。


鉄黒漆塗風神雷神萌美少女門や築城中の風景を撮影し続けた。


茶々達や力丸達家臣に徳川家康や真田昌幸も真っ正面から撮影。


肩を組んで自撮り、御祓いと称して。


これ、未来に残ったらどうなるかな?

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