第178話 露見
土浦城に帰ると、薙刀を持ったお初が・・・!?。
「げ!ヤバいバレたか?」
「真琴様、あれはいったいなんなのよ」
薙刀をブンブンと振り回しながら走ってくる。
「うわー、やめろ、それは冗談じゃ済まない、やめろ、茶々やめさせろ」
なおも振り回して走ってくるのお初の前には両手を広げて立ちはだかったのは、意外にも慶次だった。
「お初の方様、あれは美(び)に御座います。御大将の考える美、それを否定されるか?」
立ち止まってしまう、お初。
「美、あんな美少女を立体的にしたのが美?」
「美しく感じるものは人それぞれ、それがしにも実は御大将の美的感覚はわかりません、特に甚五郎が掘っているものは、しかし、狩野永徳達の絵は天女達が楽しげに水浴びをしている、羽衣伝説の三保の松原、富士山と砂浜と、海と松林、素晴らしい絵ではありませんか?」
そう、実は狩野永徳達には指示を出したが萌えには程遠く完全な美術的絵画になっていた。
天女は流石に注文したとおり少し南蛮人が混ざってはいるし、能面のようなのっぺり顔ではないが、水浴びをしているが一枚の湯浴みの様なものも着ていて肌の露出は少なく、けして下品な物ではない。
俺としては残念な結果。
甚五郎に指示をして掘らせているのは、下絵がもともと俺だから、あれなのだが。
「お初、わかったわかったから兎に角、薙刀は止めなさい。装飾はこれからは相談するから止めなさい」
「わかれば良いのよ」
と、薙刀は慶次に渡された。
ふぅ~恐い恐い。
「マコ~私はあれ好きだよ」
と、お江は言ってくれて、茶々はと言うと呆れ顔でため息を吐いていた。
茶々達と相談の結果、今描かれている大広間用の天女の襖はほぼ完成なので、諦めるとして、他は朱雀、白虎、青龍、玄武、唐獅子、麒麟、などの神獣などや、また、武御雷が大洗に御光臨下さった絵図、天岩戸伝説の絵図などの日本神話、常陸風土記から黒坂命(くろさかみこと)が茨の城で賊を倒した絵図などを採用されることになった。
欄間もその絵画に合わせる。
ただ、大手門はほぼ完成しているのでそのまま設置されることになる。
大手門、南側の花室川にを渡った橋に取り付けられる。
鉄張りの門板に、左甚五郎作の木彫りの有るものを設置する。
まだ、秘密。
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