第157話 水戸?土浦?
常陸に引っ越しが決まったわけだが、問題は沢山ある。
その一つが常陸で、どの城を拠点にするかだ。
常陸と言えば一番初めに思い受けぶるであろうのは水戸城、しかし、俺はかねてより発展させる都市は、海から離れながらも水に恵まれた土地が理想だと考えている。
そうなれば茨城には琵琶湖に次いで日本で二番目に大きい湖がある。
霞ケ浦だ。
霞ケ浦には『土浦城』、別名『亀城』と呼ばれる城があるのだが、亀城とは付近が洪水になっても城だけは水に沈まないと言う揶揄で、言い換えれば付近は水に沈む。
水城としての理はあるのだが、発展した町を作ろうとするなら理想は浸水は避けたい。
土浦城のある場所は霞ケ浦と桜川のすぐ近く、俺が知っている歴史の土浦城は室町から江戸時代の頃に改修改築が繰り返され水堀を幾重にも持つ堅牢な城にはなるのだが、桜川、平成でも氾濫して花火大会開催が危ぶまれた年もあるんだよな。
水戸城も水に恵まれていないのか?と、言われればそうではない。
北には那珂川、南は湿地地帯で偕楽園で有名な千波湖もある。
日立にだって久慈川もあるので、完全な新しい城の築城にだって悪いわけではないのだが、西が琵琶湖なら東は、やはり霞ケ浦で発展させたい、と、なるとやはり土浦か?
土浦、花火大会で何度も行っていたが、土浦城より南側って結構高台があるんだよな。
だったら、そこに築城すれば良いのか?
そう自分で書いた地図を記憶をたどりながら書きながら一人自問自答を繰り返し考えた。
築城となると人手が必要、金はそこそこ持っているが人集められるのか?
つい最近、常陸で大量虐殺と言っていいほど殺してしまったのに人、集められるのか?
とりあえずは、土浦城に入ってから少しずつ移築するとかすれば良いのか?
「マコ~、お客さん」
自室で一人考え込んでいるとお江が呼びに来た。
「ん?誰?」
「と、ね~三河守の家来だって言っているよ」
「忠勝殿かな?」
「ん~初めて見る人だよ、若いよ」
ん~何なんだろう、ん?服部半蔵が正々堂々と暗殺に来たとか?正々堂々着たら暗殺ではないか、などと考えながら、先日貰ったばかりの太刀・童子切安綱を手に二ノ丸の広間に入ると一人の青年が頭を低く下げて座っていた。
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