第49話 カレー
今井宗久、千宗易、津田宗及、茶道の創始者三人衆に頼んだ薬はもちろんカレーの材料だ。
今井宗久、千宗易、津田宗及は翌々日には頼んだものを集めて屋敷に届けてくれた。
金めっちゃ払ったらしいが、家臣も大していないのに10万石の給金をいただいているのでめっちゃ金あるらしく問題ないらしい。
リバーシーの売り上げもある。
未来の知識は使う人、見いだしてくれる人がいれば金になる。
さて、カレーの粉の材料が台所に運ばれると一気薬屋のような匂いが漂っていた。
桜子、梅子、桃子に三台の石うすを使って全て粉にしてもらった。
それをずらりと並べる。
配合具合がわからない。
わからない。
適当に合わせては舐め、合わせては舐め、合わせては舐め。
舌がバカになってきたが、それなりになってきたので、鉄板にバターの変わりに豚の脂身を軽く炒めて油を出して、すりおろした大蒜と生姜と玉葱を炒めてスパイスを炒めながら小麦粉を投入して炒める。
屋敷がだんだんカレー臭くなる。
桜子達には豚肉とニンジンと里芋を煮て貰っている。
ほどよく炒めたところで煮えた豚肉、ニンジン、里芋汁に俺オリジナルカレールーを投入。
じゃが芋がないのが残念だな。
とりあえず弱火で煮込む。
懐かしい匂いが漂いだす。
「御主人様、薬煮薬膳料理ですか?」
「カレーって食べ物を作ってるんだけどね、じゃ~あとはご飯炊いて貰えるかな、と、平たい大きめの皿と人数分と匙を用意して」
あれ?スプーンも今井宗久に言えば買えるかな?
カレー美味しかったら、スプーン買おう。
銀のスプーンが良いな。銀の匙が欲しいって言えば通じるかな?
ん?なんか、ヤバいキーワード言った気がするがまぁ良いか。
ご飯が炊き上がったので平たい皿にご飯を乗せて貰った。
・・・平たい皿、これ、九谷焼じゃない?緑や黄色でカラフルな絵が書いてあるんだけど。
これをカレー皿って・・・ん~、最高級カレーですかね?
煮込んだカレーを乗せる。
匂い、見ためは完璧にカレーだ。
あ!福神漬けとらっきょうないや。
ってその前に、うずらの卵のゆで玉子入れるの忘れた。
俺はってか、うちはうずらの卵のゆで玉子を入れるのがうちのカレーなのだ。
うずらの卵をふんだんに入れたい。
うん、うずらも庭で飼おう。
隣の前田利家邸から苦情くるかな?少し気になるがその時は城下に土地を買って人を雇うかと、悩んでる間にカレーは盛られた。
俺、力丸、慶次、宗則、桜子、梅子、桃子の前にカレーライスが並ぶ。
始めてみる見た目に固まるみんな。
俺が先ずは一口食べる。
少し物足りないがカレーライスだ、少しさっぱりしているカレーライス、コッテリさやスパイシー感は全然足りない。
ただ久しぶりに食べるカレーライスが美味いのなんの。
黙々と食べると、みんなも食べだす。
「お!美味しい」
「不思議に食が進みます」
「ご飯に合います」
「これはいい」
「病み付きになりそうですね」
俺的にはまだまだカレーライスではないのだが意外に好評だった。
「また、私らに内緒で美味しい物食べてる~」
ってお初が扉を開けて入ってきた。
「マコ~食べたい」
「お江、お初、いっぱいあるから食べなよ」
茶々が後からまだ三歳になったかな?ってくらいの少年を連れて入ってきたが、まあ、織田信長の縁者であるのは予想できるから気にせず中に入らせる。
今日のカレーは初めてだから皆が食べられるように甘口だから食べられるはずと思って勧めると、喜んで食べてくれた。
三歳くらいの少年も食べていた。
「三法師、美味いですか?」
「はい、茶々様、美味しいです」
「お!信長様の孫?」
「はい、信忠の子、三法師に御座います」
小さいのに利発な子だった。
「よろしくね、常陸守真琴だよ」
「はい、茶々様の旦那様になると聞いてます」
ん?っと茶々の顔を見ると真っ赤にしていた。
お初は複雑な表情を。
お江は、にこにこしながらカレーライスを食べていた。
くわぁ~悩みから逃げるのに料理に走ったのに~。
茶々、可愛いとかのレベルじゃないんだよ、めっちゃ美人なの。
嫌いではない、嫌いではないからこそ悩むんだよ。
俺が固まっていると、慶次が気を効かせたのか、
「ぬはははははははは、いや~美味かった美味かった、うちの大将は料理上手で本当に良かった」
と、大声を出していた。
ありがとう慶次。
その笑い声で固まってしまった空気は和らいでいた。
「慶次、馬鹿五月蠅い、隣まで聞こえましたよ」
と、綺麗なおばさんが入ってきた。
誰よ?
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