第29話 火縄銃改

 次の日になると、浅井三姉妹はさっそく遊びに来た。


ちゃんと約束を守ったのか、護衛の供廻り?家臣?が、五人ほど見える。


おそらく門の外にも数名はいるのだろう。


「あしょびに来たよ~舐め舐めお化け」


と、無邪気に挨拶をするお江。


「お江がどうしてもって言うから着いてきたんだからね、勘違いしないでよね」


なぜにお初は、ツンデレテンプレなんだろうか?


「黒坂様、これは従五位上常陸介就任の祝いの品に御座います。お受け取りください」


と、言って紫色の風呂敷に包んだ物を差し出す茶々。


俺は受けとる。


「これはこれはありがとうございます」


と、受けとるとズッシリと重い。


風呂敷を広げると火縄銃だった。


「お~火縄銃、ありがとうございます」


素直に嬉しく綻んだ顔で礼を言うと、茶々が、


「使えますか?」


と、聞いてきた。


「一応、火砲術も習ってたから大丈夫だよ」


と、答えて構えて火の着いていない火縄銃を空撃ちした。


カチン


と、だけ音がする。


もちろん、弾と火薬もある。


鉛の球体の弾をコロコロと手に取り確認する。


そう言えば球体なんだよな~流線型にして、銃身にライフリング刻めば飛距離に命中率上がるんだよな~。


あと、散弾の弾なんて、密接している戦にもってこいじゃないか?


火縄も火打ち石式ならすぐに出来そうだけど。


知っているからこそ出てくる知恵、知っているからこそ出切る想像。


あ、これが織田信長が俺に求めていたことかと感じた。


すぐに力丸に伝えて思い付いたことがあるから、信長様に会いたいから面会の予約を頼むと、夕刻に来いと呼ばれた。


夕飯を一緒に食べながら、昼間思い付いた火縄銃の改良点を伝えた。


下手だが絵に書きわかりやすく説明できる物を用意して伝えた。


「なるほど、未来でも銃は存在するのか?」


「はい、軍隊が主に使っていますが、一般の人も狩猟を行うものは許可され使用しています」


「よし、試しに作らせてみよう」


「あと、この握るとこの形状なんですが、現状だと頬に当てる形ですが、これだと不安定です。未来だとこの部分が長くて肩にしっかり当てて固定して撃つんですよ」


「握り手部分の改良は木の加工だから直ぐに出きるな、それも試させよう、やはり、常陸を傍に置いたわしの目に狂いわなかったな、ハハハハハッ」


と、喜んでいた。


この改良案は鉄砲鍛師に伝えられ、内々に作らされいくつもの試作が行われた。


握り手部分の改良は直ぐに完成して、俺のところにも試作品が届くと、確かに俺が説明した形状になっていた。


それだけでも命中率が二割り増しになったらしい。




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