5-2

 ついに戦いの火ぶたは切って落とされました。

 まず、最初に仕掛けたのは尼寺先生だ。


「起きろ、夢ヶ咲! 今は授業中だ!」


 凄まじい尼寺先生の攻撃。投げたチョークが夢ヶ咲を襲う! しかし、夢ヶ咲は微動だにしない。


「教育的指導だ! 反省文十枚はくだらないぞ!」


 尼寺先生の怒涛の攻撃が続く。

 夢ヶ咲はまったく手が出せない。と言うより、出す気が見られない。尼寺先生、心に大きなダメージだ。悔しそうに唇をかみしめている。

 どうする、尼寺先生? 動くのか? この場は様子を見るのか?

 どうする、尼寺先生!


「親御さんに電話するぞ! それとも、家庭訪問がいいか?」


 おーっと、尼寺先生、ついに伝家の宝刀を抜いた!

 夢ヶ咲もこれはかなりのダメージか?


 どうです、解説の青沼さん? なるほど、いそがしくて手が離せない……と。わかりました。それでは後ほど。

 では、浅黄さん? はい……いや、ハンマーは反則ですし、そもそもロボットは……ありがとうございました!

 最後に川緑さん? はい……はい……はい……はい……違います! ハブvsマングースの話ではありません。ありがとうございました!

 それでは中継に戻ります。


 夢ヶ咲、耐える。尼寺先生の攻撃にジッと耐えている! まさか、時間切れドローを狙っているのでは? いや、まさか夢ヶ咲に限ってそんなことは。

 そうです、これは夢ヶ咲の十八番、挑発です。尼崎先生の心はもうズタボロだ。

 どうする、尼寺先生? このまま夢ヶ咲の思うツボか?


「顧問権限で悪夢祓い倶楽部の活動を停止するぞ!」


 でたー!! 尼崎先生!

 最終奥義、職権乱用です! これでは、さすがの夢ヶ咲も……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る