オオカミ少年
チキン
一話完結
オオカミ少年は今日も嘘をついた。
今日も自分に嘘をついた。
オオカミ少年は弱さを隠してウソをついた。
オオカミ少年は恥ずかしさを隠してウソをついた。
いつしかそのウソは染みつき少年をオオカミへと変えていったのだ。
少年は獣臭くなった。
少年は暴力を振るうようになった。
少年は生臭さを好むようになった。
少年はきまって夜にないた。
少年は静かな時にないた。
やがて少年は大人になった。
少年は働くようになった。
働くようになって少年はいろんな人たちを見てきた。
少年は思った。
なんだ、そこらじゅうオオカミだらけじゃないか。
少年はすごく安心した。
少年はすごく気持ちが楽になった。
そして少年は嘘をつくのをやめた。
少年は嘘をつく必要がないと思ったのだ。
そして少年は、オオカミじゃなくなった。
オオカミ少年 チキン @green4649
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