親への報告、、、


子宮を全摘する。

子供が産めなくなる。

正直実感はなかった。

ずっと続いてた不正出血が終わってくれる。

めんどくさい生理も来なくなる。

22歳だもん、母性なんてない。

妊娠だって、早くに子供が欲しかったわけでもないし。実感なんてない。

ショックはなかった。

若いし、ガンっていっても、取れば治るんでしょ?くらい。



でも、母親はそうじゃないよな。

とりあえず、母親に報告。

衝撃的な事実。

体調の不良は、相談してあったけど、

いろいろ思うところがあったみたいで、

次行く時は、かーちゃんも一緒に行くわよ!!!と。

えぇ~…まぁ好きにしなよ、と。


一週間後くらいに、もっかい大学病院へ。

前回行った時の話では、病棟のベッドの空きとか、手術の空きとかの都合があるから、

日程をこちらで調整してみるから、

次回はこれからの具体的な治療のスケジュールのお話ですね、とのことだった。

なんか、えらく慌ててたりステージが進んでる言うわりに、

えらく呑気な話だなぁと思った。

今日明日に死ぬとかいう話ではない、って感じられて、

尚更、私が悠長に構えてられたんだと思う。


母親が一緒にくっついてきたので、

まずは、病気の話から、ということになった。

母親は50代半ばだった父親を胃がんで亡くしている。

私はまだ物心つく前なので、覚えてないが、

まずは、悪性か良性かとかいう話から切り出していた。

子宮にできるのは、ガンっていう時点で悪性なんですよーとか、

素人にわかるように、ちゃんと説明してくれた。

子宮を全部取るしかないんです、って話もね。

抗がん剤で小さくしてから、って話も、

先生にお任せします、よろしくお願いします、ってなった。

医者の言うことだもん、そうなるしかないよね。

具体的な入院の日と、手術までの段取りと、手術日も、

この時には、大体決まっていたように思う。

入院まで、日がちょっと空くので、

もう1回診察か何かで、来ることになった。

その時には、父親も一緒にきた。

中身はこの日と大して変わらないから省略します。


この日の帰り。

実家から、大学病院までは、車で1時間かかる。

私は、実家よりも、病院に近い職場の寮に住んでいたので、

大学病院で、母と待ち合わせしたのだ。

帰りは、病院から、寮まで車で送ってもらった。

車中覚えてるのは、とにかく母が気落ちしていたこと。

なぜか、それを、私が懸命に慰めていたこと。

ガンっつったって、全部取れば治るんだし!! みたいな。

でも、その話をしているとき思い出してしまった。

数日前、結納を済ませた二つ上の兄。


子供もすぐ生まれるかもねーそしたらおばあちゃんじゃーん。

いやーでも、嫁が産むのと、実の娘が産むのとじゃ違うよー。


それを思い出したら、何も言えなくなってしまった。

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