第3話 出会い 困惑する僕
「翔ちゃんっ!起きてよ。起きてってば!」
「なんだよ。もう少し寝かせてくれたっていいだろ。」
僕は重たいまぶたをゆっくりとあげる。
「ん???なんだ、ここ」
いつもの朝とは違う雰囲気に僕は首をかしげる。あたりを見渡してみると、少し前まで砂漠だったはずの道脇に、向日葵が咲き広がっていた。
「翔ちゃん!おはよっ」
イチは僕の顔を明るい笑顔で覗き込む。あぁそうか。倒れたんだった。
「イチ、調子はどうだ?」
「うん!もう大丈夫。あの子が助けてくれたんだよ」
イチが指差す先にいたのは、いや、あったのは、3寸ばかりの向日葵だった。
「ひまわり?なのか?」
僕は驚きを隠せなかった。ひまわりなのだ。しかしながら向日葵ではない。君は今までに見たことがあるだろうか。
「翔ちゃんったら、何言ってんだよ。どっからどう見ても向日葵じゃないか。ねぇ?」
イチに問いかけられて、向日葵は嬉しそうに笑った。
「この子が僕たちに水を運んできてくれたんだ」
「この子が、水を?」
僕はまだ信じられないでいた。だって笑う向日葵なんて…。いや、動ける向日葵なんて…。
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