第43話 ギルマス事件です!


アンジェの近くに行くと、目にした光景に驚いた!


アンが突然に戦闘を開始した理由が、そこに遭ったのだから。


1人の少女と1匹の使役獣が、酷い怪我をして手当てを受けていた。


アンジェが懸命に、少女に呼びかけているが反応が無い!


レオンは、戦闘が終って獲得した戦利品を急いで、拾い集めだした。


ヨハン爺さんは、背中に荷物を乗せる背負子しょいこから

荷物を下ろしていた。


背負子に少女を落ちないように、縛り付けて乗せ様としているのだ!


下ろした荷物は、戦利品を拾い終わったレオンが、急いでアイテム袋に

仕舞い込んでいた。


そうしてる内に、アンジェの治療が終り少女を背負子に、

乗せ様としているヨハン爺さんにアンが、話しかけていたのだ。


「ヨハン爺さん!ゆっくり運んでよ!」


アンはヨハン爺さんに、そう伝えるとヨハン爺さんは「解っとる!」と

短く答えていた。


使役獣の方は、レオンの背負子に乗せる様にアンジェに言われた。


使役獣は、既に死んでいたが少女の事を思うと、ダンジョンに置いては

行けなかったのだ!


レオンが使役獣を背負子に、乗せ終わったのを見計らって、アンジェは

皆に言ったのだ。


「地上に急いで戻るわよ!」


その言葉に皆は、≪おう!≫とだけ答えただけだった。


陣形は、最初ダンジョンに入った時とは違い、帰る時にはアンが先頭になり、

真ん中にヨハン爺さんとレオンで、最後尾がアンジェだった。


アンジェはアンに、出来るだけ急ぐように言っている!


それだけ少女の状態が、思わしくないのかも知れない。


アンは罠を回避しつつ、出来るだけ急いで地上を目指していたのだ。


地下3階から地下2階に、上がった時にボス部屋では戦闘が、

行なわれていた。


急いでいたアンは、その戦闘の中を突っ切る様だ!


アンジェは、すぐさま戦闘中のパーティに此方の名前を言うと、

襲い掛かってくる敵だけを倒して行った!


戦闘中のパーティも、事情が事情なので何も言わなかった!


逆に戦闘中だったパーティは、前衛をしようと言ってくれた程だ。


アンジェがパーティ名を名乗ると、向こうもパーティも名乗っている。


レオンには聞こえなかったのだが、アンジェは戦闘中だったパーティと

協力体制を取るようだ。


後は地下1階のボス部屋を抜ければ、地上までは直ぐに出れるのだ。


2つのパーティに守られて、少女はダンジョンを脱出した!


そうして、冒険者ギルドの中にある救護所に、少女は運び込まれたのだ!


冒険者ギルドに入った時、周りの者は最初は理解出来てなかったが、時間が

経つに連れて理解しだしていた。


仲間のパーティが1つ全滅した事に.....


パーティリーダーの立場にある者は、ダンジョンで何があったのかを

知りたがるものである!


アンジェは、冒険者ギルドの上役に事情を説明していた。


その説明を他のパーティのリーダー達が聞き耳を立てているのだ!


こうしてパーティGattino子猫の初ダンジョンは、幕を閉じた。


冒険者ギルドからの事情説明や、他のパーティ等に説明をするので、

当分の間はダンジョンに入れそうに無いからだ!


状況が落ち着いたら、再度ダンジョンに挑戦するしかなかった。


10日~20日位は、冒険者ギルドに拘束されそうである!


冒険者ギルドもダンジョンに、調査隊を送り込むので、ダンジョン自体が

一時閉鎖される見通しなのだ。


仕方のない事だと、他のパーティ達も理解していた。


レオン達は冒険者ギルド内にある、特別室に調査が終るまでの間は、

そこが宿の代わりになる。


そう告げたのは、カザルヌオーヴォの町の冒険者ギルドの、

ギルドマスターである人物だった。


ギルドマスターの名は、ブラッドフォードと言うらしい!


そのブラッドフォードから子猫のメンバーに、こう伝えられたのだ。


今回の事件は、陰謀の匂いがすると!


レオンとアンジェは、顔を見合わせて、こう思っただろう.....


≪このおっさんって、頭の中大丈夫なのか?≫


2人は口には出さないが、そう思ったに違いない!


アンジェの説明をちゃんと理解しているのなら、陰謀だの策略だのと言った

事は、言い出さないはずである......


つまりは......このおっさんって理解力がゼロなのだ!

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