第42話 アンとダンジョン


またアンが暴走して、魔法を連続で撃ち出していた!


こんな狭い洞窟内で、上級魔法を連発するとか.....この子は馬鹿なの?


そう皆が思っただろう?


それでもアンの魔法攻撃が、止まる事は無く敵を圧倒して行く!


マジック・マウスも只の的ではない!


ただ殺されるのを待っているだけならば、楽だろうがそうではない!


マジック・マウスは、土の魔法と尻尾を駆使しての攻撃を仕掛けてきていた!


アンの暴走は、一時放置して置いても問題はなさそうだ。


そう判断したアンジェは、レオンとヨハン爺さんに指示を飛ばす!


「ヨハン爺さんは、群れから抜け出した敵を倒して!」


アンジェがヨハン爺さんに指示した。


レオンは、アンジェの指示を貰う前に動いている!


レオンが動いた先には、アンが居たのだ。


アンの背後を守って、レオンは援護射撃を開始している。


敵もアンの背後に回って、攻撃を仕掛けたいのだろうか?


執拗にアンの背後に回ろうとしていた。


だがレオンがそうはさせない!


アンジェも全体の戦況に応じた役割を果たしていた!


ヨハン爺さんの方が、厳しくなったらヨハン爺さんの援護に回り。


レオンの方に、敵が集中しだしたら、アンジェの魔剣で敵を牽制していた!


そんな中で、アンが.....またお馬鹿な事を遣らかした。


何を考えたのか、最後の敵に突貫していったのだ!


アンジェ・レオン・ヨハン爺さんが肝を冷やすが、アンにそんな事はお構いなしであった!


そこで、アンジェは気が付いた。


奥の敵の足元に、何かがある事にだ。


アンジェがアンの援護を全力でする様に、レオンとヨハン爺さんに激を飛ばす!


「アンの援護をして頂戴!」


その言葉に頷く2人!


アンに続いて飛び出していたのがレオンであった。


アンジェの言葉の意味は、レオンには理解出来ていなかったが、アンジェが言うのだから、何かしらがあるとレオンは思いアンに続いている。


アンが敵の攻撃を交わしながら、敵の足元に飛び込んでいた。


足元のアンに、マジック・マウスの尻尾が迫りくる。


だが!


尻尾の攻撃がアンに当たる事はなかった。


何故ならば、レオンが盾で防いだからだ!


レオンは盾で攻撃を防ぎながらも、敵に対してカウンターを放っていた。


レオンのカウンターは、敵の死角の右後ろからだ!


レオンの奮戦が続いている間に、アンは目的の場所に到達していた。


そうしてアンは、直ぐに目的の物を抱きかかえると、アンジェの元に引きずって運びだした。


小さいアンの体では、そんなに早くは運べなかったが、途中からヨハン爺さんが加わり、一気にアンジェの側まで運んでいる!


その間にも、レオンはクロスボウの矢を解き放ってしまい、再装填する暇が無かったので、最後は短剣での白兵戦になっていた!


尻尾がレオンに数回程、体のあっちこっちに当たっていた!


それでもレオンがガッツを見せていた!


敵の懐に飛び込み、顎の下から短剣を上に突き刺して、マジック・マウスに止めをさすまでは、死ぬ思いだったかも知れない!


ヨハン爺さんも、アンの荷物を運び終えた後は、レオンに続いて白兵戦に移っている!


ヨハン爺さんは、尻尾を切り落とすと敵の後ろ足を攻撃していた。


「いい加減に倒れろ!!!!!!」


レオンの叫びが、洞窟内に木霊していた。


ヨハン爺さんもレオンに続いて叫びだす!


「ふぬぅ~~~~~!!!!!」


ヨハン爺さんが、マジック・マウスの後ろ足を持ち上げだしていた!


これにはマジック・マウスも体勢崩してしまい、前足を地面につけてしまう!


そこをレオンが見逃すはずもなく、敵の喉下に短剣を突き刺して、戦いは終った!


2人は疲れた体だったが、アンジェの下に向かった!


アンとアンジェが一生懸命に、何かをしているのはレオンとヨハンにも理解できたが、詳しくは解らない。


だが.....アンジェに近づくに連れて、その光景が目に映って来たのだ......

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