第34話 次の町に向けて!


アンジェの魔剣の柄と鞘が新しくなり、アンジェはご満悦である!

女性らしい装飾品だからだろう?すれ違う女性は、振り返ってアンジェの

魔剣に目を向けるのである。


これには、アンジェも気分が好いのであろうか?顔がにやけている!

冒険者の女性でも、可愛い装備をして入る物は稀なのだった。

可愛い装備をするだけの、財力がある事の表れでもあるからだった。


装備品の装飾に贅沢に、お金を掛けているパーティ何って一握りしかいない

それだけ、冒険者で成功するのは、難しかったとも言える。


俺達のパーティは運が良い事に、精霊が2人に回復術士が1人に職人が1人

のパーティ編成だったので、お金を稼ごうと思えば稼げるからである!


そして次の町は、いよいよダンジョンの町・カザルヌオーヴォなのだ!

俺に取っては、初めてのダンジョンでもあった。正直に言うと少し恐かった

なにせ、初めてだったからだ。ダンジョンを見るのも入るのも初めて!


冒険者になって、日も浅かった俺がダンジョンに入るんだ。緊張もするよ!

食料は大丈夫かとか、薬品は足りるかとか、生活必需品に不足はないかとか

心配事が絶えないでいる!


不安で不安で頭がどうにかなりそうだよ!アンジェも初ダンジョンって言ってた

けども、ヨハン爺さんやアンはダンジョンに入った事はあるのかな?聞いてみよ

うかな?




......................................................




{町の通りにて}


ヨハン爺さんとアンって、ダンジョンに入った事はあるの?


『ダンジョン何って、昔は頻繁に入っておったぞ!』


〈ボクも何回もダンジョンに潜った事あるよ!〉


へぇ~どんなダンジョンだったの?


『ガヤルド大陸の南部の山岳地帯に、そこのダンジョンはあるんじゃ!』


〈あっ!そこって、ペリグーの来たにあるダンジョン?〉


『そうじゃ!儂の家の近所だったな!』


〈あそこって、どうやって行くの?〉


『あのダンジョンの名前はな、竜の洞穴ほらあなって名前が付いておってな!竜の洞穴に向かうには、洞窟を掘るか、渓谷を通るかしかない!』


〈渓谷を通って行くんだ!〉


『そうじゃぞ!』


「それで?」


『竜の洞穴なんって物騒な名前が付いておるが、竜はいないぞ!』


「何よそれ?」


〈何でいないんだよ!?〉


『儂が行った時は、もう居なかったからの?』


ヨハン爺さんが行く前に、誰かが倒したとか?


『そうかも知れんの?』


「そのダンジョンは難しかったの?」


『家の近所って事もあったので、何回も挑んだのじゃ!そうして攻略したぞ!』


ヨハン爺さんって、ダンジョンの攻略者だったの?


『驚いたか?こう見えてもダンジョン攻略者なのじゃぞ!』


〈ボクだって、ガヤルド大陸の南部にある、ネズミやヘビが出る

                    ダンジョンを攻略してるもん!〉


「アンが攻略したダンジョンって、難しかったの?」


〈簡単だったよ!出来たばっかりのダンジョンだったし!〉


ダンジョンの攻略者が2人もいるのか?


「規格外と思って居たけど、本当に規格外の2人ね?」


〈アンジェ!ボクって凄いでしょ?〉


「アンは凄いわよ!」


〈アンジェ大好き~!〉


ヨハン爺さんも凄いよ!


『レオン大好き~!』


気持ち悪いから.....止めて!


『アンの真似しただけじゃ.....本気で嫌がらんでも良かろうに.....』


「おえぇ~~~!」


〈おえぇ~~~!〉


『お前達もかぁ~!?』


『儂の魅力が、わかっとらんの?』


ヨハン爺さんの魅力って.....何かあったかな?


「無いわよ!」


〈うん!何にも無いよ!〉


『お前等.....儂にはな.....100の魅力があるんじゃぞ!』


「はいはい!」


アンジェ!俺は業職人ギルドで鑑定を依頼したいんだけど!


「そうなの?なら行きましょうか!」


『儂の100の魅力を聞いてくれ.....』




......................................................




{業職人ギルドにて}


【いらっしゃいませ!どの様なご用件でしょうか?】


革の鑑定依頼をお願いしたいのですが。


【鑑定される革は、お持ちしていますか?】


こちらが鑑定する物です!


【お預かりさせてもらいます。それでは、少しお待ち下さい!】


はい!アンジェ少し待っててくれるかな?


「うん!業職人ギルドの依頼書を見てるからいいわよ!」


『これとか、良くないかの?』


〈城壁の修理の人足を募集?1日150ベルク〉


「1日仕事で、肉体労働なんって御免よ!」


〈アンジェとボクには無理だね!〉


『儂は大丈夫だぞ!』


「ムキムキの筋肉なんって見せないでよ!」


〈野蛮なんだから!〉


【レオン様!お待たせしました。】


はい!鑑定結果を聞かせてください。


【解りました!此の革は、非常に珍しくて古い物ですね】


はい!遺跡で手に入れましたので。


【なるほど!希少種のロックベアーの革ではないかと、

                 鑑定士が申しております。】


ロックベアーって何処に生息してるんですか?


【正確な場所までは、解りませぬが魔大陸テルツォ・ミッレニオに居るとか?】


違う大陸に生息してるんですね?


【噂なので、本当かどうかも解りません?】


なるほど!この革の効果とかは、どんなのがありました?


【衝撃吸収・斬撃が効き難いとかですかね?

               ロックベアーの革の厚みが関係してます。】


確かに、硬くて厚みがある革ですよね!


【鑑定料は銅貨1枚です!】


ありがとうございました。


【また、お願いします!】


アンジェ!この革を俺の胸当てに付けたいんだけど!


「良いわよ!宿に帰ったらしましょうか?」


うん!ダンジョンに向けて、装備を整えておかないとね!


「そうね!初ダンジョンだもんね!」


うん!頑張ろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る