第31話 宝探し!その5


ファントムに攻撃が通用しなかった.....此れでは宝探しは失敗に

終わってしまう、それは嫌だな!何とかしてファントムを倒したい

みんなの手持ちの持ち物の中に、使える物がないか探してみる!


俺のアイテム袋からも色々と出して、みんなに見せたのだった。

その中の1つに、ヨハン爺さんが反応したのだ!



『おい!此れは何処で手に入れた物だ?』

此れは、前に寄った町の雑貨市場で、買った物だよ!

〈ヨハン爺これっで、アンデットに致命傷を与えられそうだね!〉


『うむ!アンデット系には、絶大な威力を発揮する物じゃな!』

「此れをどう使うの?使い方は解るの?」

〈アンジェ此れはね、天使族が作った物なの!〉


此れって天使族が作った物なの?

『そうじゃ!此れは天使族・神族・精霊族ならば使える品物じゃ!』

〈そうそう!天界に縁がある種族ならば、使えるんだよ!〉

「それなら、ヨハン爺かアンが使えば?」


〈ボクが空から、これを使えばファントムも、力が弱まるはずだよ!〉

『精霊の弓の力も、少しだが利いておるはずじゃからの!』

それならば、アンに預けるよ!


〈任せてよ!必ずファントムに当ててみせるからね!〉

【上手く行く事を祈っとるぞ!】



またファントムの前まで来た一行、戦闘が始まると同時にアンが天井

ギリギリまで飛んでいる、アンに攻撃が行かないようにファントムを

此方に釘付けにさせないと、わるかったのである!


ヨハン爺さんが、精霊の弓を乱射して、ファントムの気を此方に逸らす

ファントムも黙って、ただ立ってる訳ではなかったのである!

魔法攻撃が主な攻撃方法なのだが、たまに物理攻撃もしてくるから

近づくのに苦労させられるのだ。


アンジェも徐霊魔法で、援護をおこなっているが、ファントムには

あまり効果が無いようである。俺はアンが空中からの不意打ちで

ファントムが弱るのを待ってから、ファントムの仮面を破壊する

予定だったのだ。


ファントムの攻撃がアンジェに行くと、事態は急変を告げていたのだ!

慌てたアンジェが、転んでしまい足を捻挫してしまった。そうして

俺は急いで、アンにそれを伝えると、アンも解ったみたいで焦っていた!


俺はアンジェの前で、クロスボウを構えると、ファントムの仮面に向けて

矢を解き放った!そんな攻撃が通じるなら、初めの戦闘で終わっている

次弾装填を急いぐ、早くしないとアンとの攻撃で連携が取れなくなるから

俺も焦っていたが、アンはもっと焦っていたのである。


アンはファントムの頭上まで行くと、俺が渡した品物から水を撒き散らした

そう!アンに渡した品物とは、小さな水入れだったのだが、実は此れは

水が無限に湧き出す、聖なる水筒だそうだ。コップ1杯か2杯が入る位の

容量しかないのに、無限に聖水が湧き出すのだから不思議である!

因みに、此の水筒は精霊族や天界の関係者が使わないと、普通の水筒にしか

ならなかったのである!普通の人間には無価値だったのだが、俺には少しだけ

精霊の血が混じっているせいか、普通の人間が使うよりかは多めに水が出た!


此処の所、水筒を余り使わなかったせいで、その存在を忘れていたのだ。

ファントムに聖水が、降り注ぐとファントムが苦しみだしていた。

暴れだすファントムは、手に持っていた杖と剣を振り回して暴れだしていた!



アンもっと聖水を撒いてくれ!

〈解った!じゃんじゃん撒くよ!〉


『アンジェ!儂の肩に掴まるんじゃ!』

「ヨハン爺さん!レイモンドさんの所に運んでよ!」



一瞬の事だったのに、その一瞬で態勢を立て直していた!俺は苦しむファントム

の攻撃を避けながら、ファントムの懐に滑り込んだのである!


下からファントムの仮面に向かって、会心の一撃を解き放つったのだった。

放った矢は。ファントムの仮面の右頬に刺さっただけだったのだ。

未だに決め手には、なってなかった!だが、そこにアンジェを運び終えた

ヨハン爺さんが、精霊の弓の連射で仮面に矢を何発も解き放っていた!


俺の矢で、ファントムの仮面の強度を削ぎ、止めがヨハン爺さんの精霊の弓

だったのだ!これにはファントムも堪らずに後ろに、よろめいて後退しだした

後退したファントムに更なる追い討ちが迫る!


そう.....レイモンドさんの回復魔法で、足の捻挫が治ったアンジェが、鬼の形相

でファントムに駆け出していたのだ。もうアンジェは完全に切れている.....

ファントムの側まで、素早く移動したアンジェは、徐霊魔法を何度も何度も詠唱

しだした。此れが決めてとなりファントムは、消えて居なくなったのである!



【みんな良くやってくれた!】

「レイモンドさん!まだ宝は見つけてませんよ。」



アンジェはレイモンドさんに奥の部屋の探索を促していたのである。

レイモンドさんが奥の部屋の扉に手を掛けると、力強く扉を開け放っていた。

部屋の中を皆、見たかったのだろう!扉が開くと一斉に部屋の中になだれ込んだ!



【此れが、この城のお宝なのか?】

「そう見たいですね.....」

『何とも凄まじ輝きなのじゃ!』

〈すごぉ~~~い!〉



一同は口々に賛美の声を挙げていたのだが、俺だけは嬉しさが半減していた。

何故ならば!此れは全てレイモンドさんが独り占めするからである!

俺達は、護衛代の銀貨1枚だけなのに、対してレイモンドさんには莫大な財宝

なのである!アンジェが見つかった時に、財宝の1%でも特別報酬に貰えるように

していれば、俺の喜びも増すのだが.....そんなに人生は甘くはないのである!


俺たちの収獲は、リッチの杖・ファントムの杖&剣だけである!

後日に、それらの品物を鑑定してから、使う者を決めないと行けなかったが

正直に言おう!俺が使える品物は無い!剣技も使えないし!魔法も使えない!

俺は只の、職人なのだから!嬉しいはずが無い!


此処に伝説の魔獣の皮でもあれば、俺の嬉しさは頂点を超えるのだが?

そんな~甘い物は落ちてません!もしも落ちていても!俺の物では無いのだから

嬉しくもないよ!


そんな寂しい事を考えながら、部屋の外を歩いていたら、ファントムが装備していた鎧の裏側に、革がありました.....おぉ~神よ!貴方様に感謝します。

この不敬な私しめを許して下さいませ。


うほぉ~~この革は見た事もない革だよ!何の革なの業職人ギルドに行って調べないと行けないよ!急いで町に帰りたいよ!職人冥利に尽きる品物が手に入ったよ!

この革が、凄い物なら俺の胸当ての裏側に張りなおそう!


今日は何って、素晴らしい日なんだろう!最高だよ。




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