第26話 スカファーディ町


{スカファーディ町}


この町に来るまでに、色々とあったな!アンジェの過去の事も

衝撃だったけど、ヨハン爺さんの味覚音痴には驚かされたよ。


まさかレッド・ウルフの肉の味が薄いとか言い出して、塩をあんなに

盛り沢山使うとは正直いうと驚いたよ。しょっぱくて食べれた物では

なかったのに、ヨハン爺さんは気にしないでガツガツ食べてたのだ。


前から味が薄いって言ってたけど、とうとう我慢が出来なくなったの

だろうかな、アンジェとアンの静止を振り切って塩を片手に暴挙に

及んだのである.....


その暴挙の巻き沿いになったのが俺なんだけどね.....食べ物は粗末に

出来ないので、我慢して食べたけど、今度からはヨハン爺さんだけの

お皿でして貰いたいよ!鍋に直接入れるのは絶対に駄目!


今度そんな事をしたなら、俺も怒る時は怒るのである!ガァ~~ってね

ガァ~~って怒るからね!暴挙をするなら覚悟して欲しい物だ!


そう言えば、この町で色々な場所を周るって言ってたよな!何処に

行くんだったかな?みんなに聞いて見よう!


アンジェは町で何処に行くって言ってたかな?

「私?私は裁縫ギルドよ!」


ヨハン爺さんは?

『儂は魔法ギルドじゃぞ!』


アンは行きたい場所あるの?

<ボクはね~美味しい物が食べれる場所に行きたいよ!>


俺は業職人ギルドに寄りたいんだけど!良いかな?

≪うん!≫


アンジェの用事から済ませようか!

「私が最初で良いの?時間が掛かるかも知れないわよ?」


パーティリーダーだから最初で良いんだよ!

『そうじゃな!最初でいいぞ!』

<アンジェの後は、ボクの番だよぉ!>



≪アンは最後だよ!≫



<何でだよ!ボクの番でも良いじゃないか?>



アンが文句を言ってたけど、それは放置してても問題ないのだ!

問題は、アンジェの心の休養なのである!アンジェに心安らげる

時間を俺とヨハン爺さんは多く取りたいと考えていた!


心が張り詰めた状態で、旅をすると前回みたいに、唐突に心の

糸が切れてしまう事になり兼ねないからだ!


これもパーティの為だよ!仲間は大事にしないとね!命をお互いに

預けあって旅をしてるのだから、当然って言えば当然の事である!


まずは、アンジェの行きたがってた、裁縫ギルドに行くとしよう!




......................................................




{町の裁縫ギルド}


「見て見て!この布のフリル可愛くない?」

<ボクの服に、このフリルって付けれるの?>


≪似合わないから止めとけ!≫



<何で2人して声をそろえて言うんだ!>

「アンの服にも付けれるわよ!付けてあげようか?」

えぇ~~~~~!


<本当に?アンジェ大好き。>

「私の服にも、何か可愛いの付けたいわね!」

『小娘よ!此れ何ってどうじゃろう?』


「何この.....ババ臭い柄は.....」

『なんじゃとぉ~!!!』

喧嘩しないの!


<アンジェ此れ何って良くない?>

「どれ?猫の刺繍が可愛いわ!」



こんな感じで、裁縫ギルドでの買い物は進んで行ったのである!

次は、魔法ギルドに行ってみた!



『此れ何って儂に向いてないかの?』

「魔力薬?幾らなの?.....300ベルク.....高いわよ!」

<魔法が撃てないと不便だよね~!>

でもさ~それを買ったら、ヨハン爺さんって魔法が使える様になるの?


『魔力が続く限り.....多分.....』

<精霊って、魔力は自然界から吸収するから、魔力切れになる事が無いんだけどね>

「それなら買う意味無いよね?」

どうだろうね.....


『解ったわい!もう此処には用が無いから次に行くのじゃ!』

<拗ねないでよ~!>



次は俺の目的地の業職人ギルドだ!此処では買う物って言うのは

皮を柔らかくする薬品とかを買いに来たのである!


これは.....まだあったな!此れは無いから買っておいて!この薬品はと

後は此れも欲しいな!それと此れも!


業職人ギルドは他のメンバーには、解らない物だらけのようだった

薬品や皮しか売ってないから、当然なのかも知れない!


よし!此れで終りだね!宿に向かおうか!


<ちょっと待ってよ!ボクの用事が残ってるの忘れてないかな?>


「何の事かしら?」


『儂はしらんぞ?』


美味しい物が食べたいって言ってたね!


「ならば屋台にでも行く?」


『こんな変な時間に屋台で食べたら、夕飯になってしまうぞ!』


それでも良いんじゃないかな?


『お酒が無いのに、夕飯には出来んぞい!』


「それならば、お酒を買ってくれば良いじゃない?」


<お肉~お肉~お肉のスープ~!>


あそこにワインを売ってるよ!


『ワインじゃと.....儂はエールが良いんじゃがな!』


「どっちも同じよ!呑めれば良いんでしょ?」


『一緒ではないぞ!味も違えば酔い方も違うのじゃ!』


「そんなのは知らないわよ!」


お酒なんって呑めれば一緒ではないの?


『何ってヤツラじゃ!話にならんぞ!』


<はいワイン買って来たよ!>


≪えっ!?≫


『んぅ.....もうワインで良いわい!我慢する!』


ヨハン爺さん!ごめんね.....


「後で、酒場に行ってエールを呑みましょう!」


『うむ!そうしてくれると嬉しいわい!』


<お酒は苦手だよ~果実ジュースあるかな?>


あると思うよ?


<やったね~!ボクはねブドウの果実ジュースが大好きなの!>


「私もブドウの果実ジュースは好きよ!」


<本当に?後で一緒に飲もうね!>


「いいわよ~!」


ヨハン爺さん!早く食べて酒場に行こうよ!


『ちょっと待ってくれ!此処の肉スープが旨くての!』


「ちょっと私にも食べさせなさいよ!」


<ボクも食べたい!>




{こうして町での夜を向かえたのである!}



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