第22話 アンの意外な特技とは?

{次の日の事}


この町を出発するまで、まだ数日はあるのだった。そこで暇を暇を持て余す

のも何なので、久しぶりに技職人ギルドに来ているのだった。


たまには、職人仕事もしないと腕が鈍るからな、ちゃんと仕事をしている。

冒険者の方が、危険だけども儲けは、業職人ギルド・技職人ギルドの依頼料

より高いのである。でも~1人で冒険者ギルドの依頼をするのも恐いし、

そんなに時間も無いのである、アンの杖が出来上がったら町を出発するのに

数日かかる依頼を冒険者ギルドで受ける馬鹿も居ない!


だから!一日仕事でお金が入る技職人ギルドなのである!いつもなら1人で

技職人ギルドの仕事を請けるのだが...今日は何とパーティGattinoのメンバー

総出でお仕事をするのであった...不安だ!


4人で受ける依頼は当然、俺が見つけないと、わるかったのである。

そりゃ~そうだよな!俺しか技職人ギルドに登録してないから、当たり前の

流れだよな.....それなのに、此れは駄目だの、此れが良いだの我が儘ばっかり

言い出してるメンバー達を纏めるのに疲れた...結局は、住宅地の井戸の修理に

決まった!依頼料は250ベルクなのだが、皆に言わせると安いそうだ!

当たり前だよ!冒険者ではないんだから、命を張った仕事でもないのに大金が

出るはずも無いのを理解して欲しいよ.....本当に疲れるよ。


依頼も決まったので、近くの雑貨屋で必要な物を買い揃えて、現場に向かった。




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{住宅街の現場前です}


ここの井戸の修理だな!修理箇所を見てるから皆は道具の準備をしてよ。

「解ったわ。」そう言うとアンジェは、自分のアイテム袋から雑貨屋で買った

材料を取り出して行ったのである。


井戸の滑車かっしゃが古くなって、壊れたんだね。まずは、おけを引き上げて

ロープを滑車から外そうか!『任せとけ!』そう言ったのはヨハン爺さんだった。

返事をしたヨハン爺さんは、井戸から桶を手早く地上に上げて、取り出していたのである。


桶も古くなってるから、俺が持ってる材料で修繕だけしとくかな?<桶って修繕できるの?>

そう言ってるのは、アンだ!桶を1回分解してから底を張替えすだけだから、

そんなに大事でもないのだ。


まずは、滑車を井戸の天井部分から外し、雑貨屋で買った中古の滑車を取り付ける。

滑車が滑らかに動くか試してから、桶のロープを滑車に通すのだ。そして

上手く井戸の底で、とまる用に長さの調整をしてから、今度は桶の底の張替えだ

まずは、止め具を外して外し終わったら、俺の持ってる板を桶の長さに切り揃える

そこまで出来たら、また組み立てをするだけだ。組み終わったら樹脂を木の繋ぎ目

にタップリと塗り、乾くのを待つ!乾いたら修理が完了する。


ま~1人で作業しても、たいした時間は掛からないのだが...他のメンバーには

慣れてないせいか、疲労困憊みたいである.....なぜだ?


住人の方から依頼書にサインを貰って、技職人ギルドに戻って依頼完了すれば

この仕事は完了するのだ。



【依頼完了ですね!250ベルクです!お確かめ下さい。】





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{宿の酒場にて}


「レオンって職人の仕事してる時は、素早く動くのね!」

『狩りの時とは、全然動きが違うわい。』

<そうなの?>


そりゃ~ね!此れで今まで食べて来たから当然だよ。

「それも、そうよね!」

『職人がパーティにいるのは心強いの~』

<何でも作ってくれそうだよね!>


何でもは作れないよアン!

<えぇ~~何で?>


俺の専門は、皮職人と大工職人だから!武器とか防具は作れないよ。

<そうなの?武器職人になれば良くない?>

「それ良いわね!」


ちょっと2人とも簡単に言うけども、一人前の職人になるのに最低で5年

       それ位は、時間が掛かるんだからね。簡単に言ってくれるよ...

『5年も修行をするのか?』

「そんなに掛かるの?」

<5年なんって、あっと言うまだよ!>


はいはい。人間は精霊と違って短命なんですよ!

<あっ...そうか!>


明日は、アンジェの仕事を手伝うよ!

「私の仕事は、教会で回復魔法を使って人々を癒すだけよ?」

『なに!教会に行くじゃと?』

<教会は嫌いだよ!>


何か2人が嫌がってるね?

「何で教会が嫌なのよ?」

『教会は、儂達の事をな!妖精って言うんじゃ!ゆるせんぞ。』

<そうだぁ~そうだぁ~!ゆるさないんだから!>


「あっ...何となく理解できたわ...」

う...うん...


『儂らはの~精霊なんじゃ!妖精と一緒にされると腹が立つわ!』

<そうだぁ~そうだぁ~!妖精は悪さをするけど、ボク達は悪さ何ってしないぞ!>

「あっ...そうっ!」


悪さをするのが妖精で悪さをしないのが精霊なんだ?

『レオンは賢いの!流石は儂の仲間じゃわい!』

<レオンは賢いよ~!ボクは、こんなに可愛いのに間違う何って!>


「はいはい!解ったから!それなら教会は止めて...裁縫ギルドの仕事を...

            このメンバーで出来るのって、私だけじゃないの?」

あっははは...細かい仕事は無理だよ!

『同じく無理じゃぞ!』

<ボクは裁縫できるよ!>


≪えっ!?≫


「何ですって?裁縫が出来るの?」

<うん!縫うの得意な方だよ。>


≪うそだぁ~!≫


<みんな信じてくれないんだ!>

「冗談は、その小さい身体だけにしてよね!」

『何処で、裁縫とかを習ったんじゃ?』


<お母様に習ったんだよ!悪いの?>

悪くは無いよ.....

「それなら.....明日は裁縫ギルドで、私が依頼を受けてくるわ。」


≪はい!≫




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{裁縫工場でのお仕事です}


アンジェとアンは、布を縫い合わす作業をしているのだが、俺達と言うと

裁縫もできないので、工場の片隅で製品を木箱に積めているだけだった。


引っ切り無しに布が送られてくるから、慣れてない俺とヨハン爺さんは

天手古舞てんてこまいしているのだった....あ~忙しい!


木箱が一杯になったら、木箱を工場の奥に運びこんだり、新しい木箱を運んだり

それなりに、忙しいのだ!簡単にみえる作業が一番忙しいのかも知れない。



「ふぅ~~この仕事で1日1人50ベルクよ!」

≪安いわぁ~~~!≫



{レオンとヨハン爺さんの悲痛な叫びがこだました。}



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