第14話 役立たずでも捨てないで!

〈ガヤルド大陸に行くのに何年かかるのかな?〉

「さ~何年でしょうね?」


〈儂は、何をすればいいんじゃ?〉

「財宝を私に貢げば良いわよ」


〈家に帰りたいです...〉

「軟弱な事を言うな!」

アンジェ可愛そうだから苛めないの!


〈うっううううう〉

「ヨハン爺は戦闘はできるの?」


〈ん?戦闘できるかじゃと?若い時は狂樹のヨハンと呼ばれとったわい!〉

おっおおおおお!強そうだ。

「本当に強いの?凄く弱そうなんだけど?」


〈バカにするでないぞ!〉

「なら見せてよ。」


〈小娘!後悔するなよ~!

 我が名において命じる!出でよ...出でよ...あれ?〉

「どうしたのよ?早く見せてよ!」

ヨハンじいさん...どうしたの?


〈ファイアーカノン!...あれ?

     アークニードル!...ん?〉


「お爺ちゃん!契約はさっき済ませたでしょ?

        もう忘れたの?いやね~もう!」


〈ちょ~儂って魔法が仕えないんじゃが?〉

それは...歳せいなんですかね?


〈解らないのじゃが?謎じゃよ...〉

オレが渡した弓があるから、それでの戦闘ならできるのでは?

「それもそうね!攻撃魔法が仕えないってのは予想外だったけど。」


アンジェどうするの?

「私に聞かれても...困ったわね...」


「あっ!老人が一杯住んでる地域に預けるのはどうかな?」

〈えっ!?〉

アンジェ.....真面目に考えて!


「ならレオンの時みたいに、冒険者になれば良いじゃない?」

〈儂が冒険者だと?小娘、本気で言ってるのか?〉


「私は何時も本気よ。」

アンジェは本気みたいですね...


「冒険者ギルドに行くわよ。着いて来て!」

〈えっ~~!?本当なの?〉

ヨハンじいさん...あきらめよう!



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



{冒険者ギルド}


『いらっしゃいませ。今日はどの様な御用ですか?』

「冒険者登録を1人したいんだけど。」


『はい、では此方の紙に詳細記入をお願いします。』

〈此れに名前とかを書くのか?詳しく?〉


〈此処はなんじゃ?主武器っての!〉


〈あっ!儂の場合は弓でいいんじゃな?〉


〈此処はどう書くんじゃ?.....なるほど!〉


〈年齢は4千500歳っと....えっ?駄目なの?〉


〈50歳で良いって?嘘を書くのか?〉


〈本当の事を書いた方が、申請が通らない?そうなのか?〉


〈性別は男性っと...名前は...ヨハン...年齢は...50歳...此れでいいか?〉


〈よし!これで受付の娘に渡すぞ!〉


『記入漏れは...無さそうですね...ではお待ち下さい。』


〈んっ!なんじゃ?冒険者に登録できたら、この依頼を完了しろ?〉


〈薬草は持ってるから...おっ本当じゃ!〉


〈これを渡せば、儂がランクFになれるのか?〉


〈ふむふむ!ランクFになったらパーティに、参加すれば良いのじゃな?〉


〈おっ!呼ばれたぞ!行って来るぞ。〉


..........


〈もどったぞ~ランクFにしてきたぞ。〉


〈一緒に受付に来い?おう...〉


〈これで儂もパーティの一員になったんじゃな?〉


〈リーダーの私には逆らうなじゃと?逆らってないぞ!〉


〈この依頼を受けるんじゃな?討伐系か...御主ら戦闘は大丈夫なんじゃな?〉


〈儂の方が心配じゃと!儂は百戦錬磨じゃわい!〉



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



{依頼の討伐に森まで出かけている}


ホーンベアーを受けるとか無茶だよ!

「この前は狩れたじゃないの!大丈夫よ。」


〈何で儂が前衛なんじゃ?儂は後衛職なんじゃがな?〉

「弓があるでしょ!頑張りなさいよ!」


怪我してもアンジェが治してくれますよ。

「そうそう!だから心配は要らないわよ。」


〈そんな事を言われてもな...〉

大丈夫!大丈夫!心配ないですよ...多分ね....


「クマが居たわよ!気を引締めてよね。」

《おう!》


〈儂が連続で弓を射るから、その間にレオンが死角から急所を狙いってくれるかの?そうすれば楽に倒せるはずじゃよ。〉

本当に?気をらしてくださいよ?


「レオン気をつけてね!」

うん...嫌な予感しかしてないけどね...


.......


〈レオンが背後に回りこんだぞ!〉

「なら始めましょう。」


バシュ!バシュ!バシュ!

{クマに三本の矢の内...1本が命中した。}


「ちょっと!もっと当てなさいよ。」

〈儂は魔法の方が得意なんじゃよ。〉


「こっちに来てるわよ。」

〈わかっておるよ!少し後ろに後退じゃ。〉


アンジェ達は何をしてるんだ?これではオレが狙えないじゃないか!

此処は走って追いかけるしかないか.....


「次の矢を撃ってよ。」

〈おう!〉


バシュ!バシュ!バシュ!


バスッ!!!!


ぐがぁぁぁぁぁぁ......


アンジェ達が後ろに下ったから、急いでクマの後を追って来たよ!

〈目の前に迫ったから、一旦距離をとったんじゃよ。〉

「うん!ヨハン爺が装填する間は、私がクマを牽制してたのよ!」


それを最初の場所でやって欲しかったよ。

「解ってるけど.....実戦では全てが思い通りではないのよ。」


そうだね...ごめんよ!

〈もっと連携を上手く取って戦えるようにすれば良いのじゃ。〉


「パーティを組んで直ぐだから仕方ないわよね!」

〈うむ!そうじゃな。〉

次も安全に頑張ろう!怪我をしても嫌だしね!

《うんうん》


よし...クマを解体しよう!

〈此処で解体するのか?森の中じゃぞ?〉

「レオンは皮職人が本業だから、解体を手早く終らせてくれるのよ。」


〈冒険者が本業ではなかったのか?〉

アンジェに無理やり、冒険者登録させられた....


「何よ!良いじゃないのよ。」

皮に困る事はなくなったけどね。

〈御主も大変じゃな.....〉


オレも後1回位で、ランクEに上がるんじゃないかな?

「もうランクEに上がれそうなの?」

〈儂は何時になったらランクEになれるんじゃ?〉


《まだ当分先だよ》

〈2人で同じ事を言うでないわ!〉

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る