第11話 山にする?海にする?

おはよう!んっ?アンジェ徹夜したの?

「おはよう.....少しだけ寝たわよ.....」


ちゃんと睡眠を取らなきゃ駄目だよ。

「わかってるわよ。」


魔法書は読み終わったの?

「うん、この魔方陣は、古の精霊と契約する為の

物なんだって、どんな精霊が出てくるのかな?」


俺的には、植物系の精霊だと助かるけどね。

大工仕事や薪で使えるから、凄く野営する時に便利になるよ。

「火の精霊や水の精霊とかも、良いと思ったけど、植物の精霊も

そう考えると、便利そうよね。」 


古の植物系の精霊か......それか土の精霊でも良くないかな?

召還は、何時するの?今からとか?

「もう一回寝るわよ。起きたら召還の儀式をしてみましょう。」


うん、おやすみ!

「おやすみ。」


(朝食でも食べてこようかな?食べ終わったら朝市にでも行ってみるかな?)



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



{爽やかな朝市に来ている。}


おじさん、此れは何に使うの?

『これは、只の置物だよ。今なら10ベルクで良いよ。』


可愛い猫の置物が10ベルクか.....どうしようかな?

買ちゃおうかな?それとも止めるべきか......


『お兄さん、買ちゃいなよ!ニヤリ...』

なら、8ベルクでも良いかな?


『お兄さんも、値切りが上手いね!それで良いよ。』

はい、8ベルク。


『まいど~!』

おじさん、ありがとうね。


(可愛らしい置物が、手に入って良かった。アンジェの

プレゼントにでもしようかな?)


『にいさん、にいさん、ちょっと寄っていってよ!』

んっ?何か良い物があるの?


『掘り出し物が揃ってるよ!見て行ってよ。』

おじさん......それは本当?


『これ何ってどう?妖しい壷!どっから見ても妖しいぜぇ!』

おっさんの存在自体が、妖しく見えてきたよ......さいなら。


『待った!!!にいさん悪かった、今度のは本当に掘り出し物だ。』

本当に?ジィーーーー!


『おいおい!そんなに見詰められると照れるぞ?』

.........


『露骨に嫌な顔しないでくれよ.....』

解ったから!掘り出し物は?


『おっと!すまんな。此れがオレの店一番の掘り出し物だ。』

んっ.....これは?


『これはな、業物の弓だ。使う物を選ぶって一品よ!』

使う物を選んだら、意味ないでしょうが!


『試しに、弦を引いてみてくれよ。オレが弦を引いても.....ほれこの通り。』

俺も無理だって.....まー物は試してみるか.....


『なっ.....なんだとぉ!にいさん.....あんた弓に選ばれたのか?』

はい?弦が引けるね?何でだろうね?


『にいさん、全部で500ベルクでいいよ。その代わり此処の品物を全部付ける。』

えっ?ゴミはいりません。


『ゴミって言うな!掘り出し物と言ってくれ!』

色々とあるね?此れを全部サービスしてくれるの?


『おう!500ベルクで持ってけ!』

何かの役に立つ物も、中にはあるかもしれないな?


少し負けてよ?駄目かな?

『家内が病気で.....薬代が必要なんだよ.....だからスマン500ベルクだ。』


解ったよ、はい、大銅貨1枚ね。

『まいどあり!』


(商売が上手い、おっさんだったな?)



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



ただいま~起きてる?

「おかえり~何処に行ってたの?」


「まさか!私と言う者があるのに.....浮気ね!」

俺は、アンジェの旦那ではないよ....


「そうだね.....ノリが悪いな.....」

そんなノリは入りません!


朝市で、こんな物を買ってしまったよ。

何でも、使い手を選ぶ弓なんだって?

アンジェ!ちょっと弓の弦を引いてみて。


「また~騙されたんじゃないの?どれどれ?」

「.......んんんんん..............はぁはぁはぁ.......」


「何よこれ?引けないじゃない?」

引けないの?本当に?オレは簡単に引けたよ?


「見せてみてよ?」

ほら!引けてるでしょ。


「レオン.....弓を見てみなさいよ.....なにそれ?」

えっ?それって?


{弓を見たら、光の矢がつがえていた}


何これ?光の矢?はい?

「それ.....番えたままだけど.....どうするの?」


どうしようか.....助けてアンジェ......

「ちょっと!こっちに向けないでよ!」


「きゃ~~~こっちに来るな。」

待ってよ~アンジェ!


{宿の中庭で、矢を放って、事なきを得た}


「ちょっとレオン!私を殺す気じゃなかった?」

違うよ!そんな気ないよ。


「本当に?信じていいのね?」

うん、可愛いアンジェに、そんな事できないよ!


「ちょ!可愛いだ何って、本当だけど、恥ずかしいでしょ。」

えっ?


あっ!精霊の召還!どうするの?もうお昼だよ。

「昼食を食べてから、儀式をしよう。」


それがいいね。

「私、お肉が食べたい。」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「レオン、準備は良い?」

うん!何時でも良いよ!


「”#$%&’()’&$”!」

「~`*|{}_?<+*‘=)’%#!”#$%&’()」


長い呪文だね?まだかな?


{1時間後}


ふぁ~~眠たい!お昼ねでもしようかな?


【儂を呼ぶのは誰だ?答えよ!】


アンジェ.....女の子の精霊じゃないからチェンジして!

「そうね、声がおっさんだよね?」


【ちょ.....ちょっと待って!おっさんだけど、待って!】


16歳くらいの精霊の女の子がいいよね?

「あっ~私もその位の子が良い!」


【あの.....儂の話を聞いてくれてますか?もしもし?】


「煩いわね!チェンジよ!チェンジ!」

【そんな.....儂じゃ駄目なの?儂でも良いじゃない?】


いや~声が可愛くないしね!

「うんうん」


【苛めないでよ.....好きでおっさんになったんじゃない!】

「レオン、どうする?山にでも捨てる?それとも海に捨てる?」


いいねぇ~それ!

【こらぁ!不法投棄は犯罪ですよ!やっちゃ~駄目!】


≪チッ.....≫

【2人して.....チッって......酷い......シクシク】


{チッ......メンタルが弱いおっちゃんだな.....}



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