第2話 私は職人です。

{助けてくれた村を出発てから、丸2日程歩いた場所に、大きな町があった。}



さ~てと、路銀を稼がないとな、


副業の大工職人をするか、それとも本業の皮職人をするか。町に着かないと、何とも言えないよな。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



{町の噴水広場まで、やって来た。}


さてと、ギルドに顔を出してみるかな。


{オレが、所属しているギルドは、二つある。}


{一つ目は、皮職人が多く所属している。業物職人ギルド。建築から武具まで手がける、少人数で動く職人達だ。}


{二つ目は、大工職人が多く所属している。技工職人ギルド。水車・橋・水門から小物までを手がける、集団仕事が得意な職人の集まりだ。}


{早い話が、少人数か大人数かの違いで、ギルドが別れている。}

{因みにオレは、業物職人ギルドと技巧職人ギルドに所属している。}


{業物職人ギルド(略して、業職ギルド)の買取受付に来ていた。}


すません、なめし革の買取をお願いします。

「はい、この革の魔獣はなんですか?」


それは、ワイド・ボアです。

「分かりました。少々お待ち下さい。」


{待つ事10分}


「お待たせしました、上質なワイド・ボアの革だったので、少し多めにしております。ワイド・ボアの革が全部で5枚、1枚200ベルクで買い取りするとして、全部で1000ベルクになります。よろしいですか?」


それで、かまいません。


「では、こちらにサインをお願いします。」

{カキカキ}


「ありがとうございました。」


{さてと、飯の種の補充に行くかな。}



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{冒険者ギルドの、販売受付にきている。}


お姉さん、魔獣の皮を見せてくれないかな?

「は~い、お待ち下さいね。」


「こちらが、ワイド・ボアの皮です。こっちが、デューホーンの皮です。」

「それと、これが、グレーウルフです。それと。レッドウルフになります。」

枚数が多いのはどれですか?


「枚数が揃うのは、グレーウルフですね。全部で3枚あります。」

では、グレーウルフの皮を3枚ください。


「1枚60ベルクですので、全部で180ベルクになります。」

では、これを。

{ちゃりん}


「ありがとうございました。」

それとお姉さん、宿を探してるんだけど、良い宿はないですか?


「それなら、冒険者ギルドの裏手にある、野生の猪亭が、オススメですよ。」

これお礼です。

{5ベルクを渡した。}



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次は、宿を探そう。


冒険者ギルドの裏手と言っていたので、建物に沿って歩けば、簡単にみつかるはずだ。



{5分後}



あった、ここだな!


{ガチャ!}


すいません。

「はい、いらっしゃい。」


一週間程の滞在になるんですけど、一泊いくらですか?

「一泊25ベルクになりますよ。2食付けるなら、一泊30ベルクです。」


宿代は、先払いですかね?

「はい、7日だと210ベルクになります。」


{ちゃりん!}


荷物を鍵付きの扉に入れたら、またお出かけだ。


今度は、技巧職人ギルド(略して、技職ギルド)に向かう。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



{ここは、技巧職人ギルドの、仕事掲示板の前である。}



何かいい仕事は無いかな、屋根の修理は30ベルク・靴の修理は10ベルク

外壁修理は25ベルク・安い仕事しかないな。あとは、車輪の修理が100ベルクか、此れが良いな。


すいません。

「はい、いらっしゃいませ。」


車輪の修理の仕事は、まだ受け付けていますか?

「はい、大丈夫ですよ。」


それなら、これを受けさせてもらいますね。

「手続きをしますので、お名前を書いてください。」


{カキカキ}


「それでは、明日からお願いします。場所は、町の外れに川があるので、そこの上流に、水車小屋がありますので、そこが仕事場になります。」

わかりました。


時間は、日時計の8で、いいのですか?

「日時計の8で、大丈夫です。」


「それでは、お気をつけて。」

ありがとうございます。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



{日時計の8までに、仕事場に来ていた。}


オレの他にも、4人きているな。親方は、誰なんだろう?

「よ~し、皆、集まってるな?」

≪うぃ~~す≫


(あの人が親方なのか。)

{30代半ばな感じの、体がガッシリした人だった。}


「作業工程を言うぞ。まずは、水車を止めた後に、車輪を外して、壊れた部位を交換する。それが終ったら、今度は組み立てだ。」

≪へい。≫


「まずは、水車の水を止めるぞ。」

{水車に水を送ってる、木の水路を取り外した。}


親方、水路も腐ってきてますね。

「おう、これも交換しないと駄目だろうな。」


「お前、水路を作れるか?」

材料はありますか?


「板が無いから、板を削りだす所からやってくれ。」

へい。では、板作りに取り掛かります。


{鋸で太い丸太を、縦に切って行く、これが中々の重労働だ。}

{真っ直ぐに、綺麗に切らないといけない、腕の見せ所でもある。}


「よし!昼飯にするぞ。」


ふぅ~~疲れた。

{親方が、作業を見にやって来た。}


「もう板が出来上がったのか、おっ、綺麗に切れてるじゃねか。」

あとは、組み立てるだけですよ。


「それが終ったら、こっちの作業も手伝ってくれ。」

分かりました。


「昼だ昼だ。」

へい。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



{昼食は、親方の奥さんのお手製のスープとパンだった。}


「うちの家内の手料理は、うめだろ?」

ふぅ~美味しかったです。


「だろうな、その顔をみたら解るよ。」

顔に出てましたか。


「おう」


「よし、休憩もしたし作業を再開するぞ。」

へい。


組み立てをするかな。


{コンコン、コンコンコン}


よし、完成だ。後は、親方の手伝いだけだな。


親方、水路は完成しましたよ。

「おう、こっちも車輪を組み立てるだけだ。」


「一気に仕事を終らせるぞ、いいな?」

≪へい。≫


{4人で車輪を持って、親方は車輪の位置調整をしている}


{ガッキ}


{車輪がきちんと、はまったようだ。後は、水路から水車に水を流すだけだ。}


{ガッコン}


{ガッコン}


{ガッコン}


「皆、おつかれさん。」


{無事に水車の修理が、終った。}


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