○エピローグ
(で、なんでお前まで学校についてきてるんだ?)
(いいでしょ? 家にいたって暇なんだから)
夏休みが終わり、今日始業式を迎えた。
麺力だなんて馬鹿げた力が夏休みボケした俺の妄想で、夏休みが終わった瞬間その妄想も塵芥に帰りゆくという可能性に賭けてみたが、現実は俺を全力で打ち負かしに来る。
残暑の残り香が窓の外から漂ってきて、俺は思わず目を細めた。
なるべく楽に生きたいが、こんな力がついて回る以上、それも難しい話かもしれない。
そんな事を考えていると、先生が教室へと入ってきた。だが、普段はいない同行者を連れている。十中八九、夏休み明けからこのクラスへ編入する事になった転校生なのだろうが、その人数は、二人?
(ねぇ、一郎……)
(言うな、ケイ)
いや、転校生は唯一人だけだった。残念な事に、俺以外にはそう見えているのだろう。
教室に入ってきた金髪碧眼の少女と、その後ろで浮いている軍人然とした少女が俺の視線に気が付き、笑う。
先生が気にせず、転校生の名前を一人分だけ黒板へ刻んだ。
それを見ながら、俺はまた面倒くさい事が起こりそうだと、溜め息を付いた。
鶏ガラ醤油は貧乳の味 メグリくくる @megurikukuru
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