第3章「地盤強化」
カキンッカキンッ!!
クーズー城の外ではこの前手に入れた、24時間働くことのできるマンパワーが一生懸命働いている様子が見える。
ダークドワーフ1人に対して数百のスケルトンが付いている為、整地にしても資源収集しにてもかなり効率よく作業が進んでいる筈だ。
この調子なら難攻不落のクーズー城と、それを囲うようにして形成されるクーズー帝国の完成も近いな。
さてと、部下、それに兵士が寝泊まりするような場所と建物はもうすぐ確保できるとして…肝心の中身をどうにかしないと!!
ダークドワーフの他にもこの森には亜人が多くいるらしいしな…。
今度の方針としてはやっぱり亜人を中心に仲間にしていこうと思う。俺ならば問題はないのだが魔獣だとどうしても意思の疎通に問題もあるし…。いつかは俺抜きで機能するようにしていかないと、俺がのんびりできないからな!
魔獣は各部隊に切り札的に配置しよう。幸い"魔獣使い"なるものもいるらしいし、訓練すればなれるっしょ!たぶん!
てことで亜人の戦力を拡大していく方針で!
幸いと言って良いのか悪いのか、亜人は人間の国から毛嫌いされてるっぽいしな、そこをうまいこと突いて説得していこう。まあ、最悪闇属性魔法で強引に…。
亜人の国が沢山ある地域もあるらしいのだが、取り敢えず目下の目標はこの森の亜人の掌握ってことで…早速いきますか!
「ジーバ君!ちょっと留守にするから何かあったら頼むね」
「わかりましたぞ!!」
ってことで俺とケル吉はゴブ一郎の案内の元、"バグベア"って奴らと"オーガ"って奴らを仲間にすべく、森の中を歩く。
なんでもこいつらは正真正銘の脳筋らしい。人間の子供ほどの知能なのだが、1人で巨大な丸太を担げるほどの怪力の持ち主なのだとか。
まあ簡単に騙せ…説得できそうだな!
「あそこですねリオ様」
見るとそこには地面に突き立てた木に植物の葉を被せただけの住居のようなものが数軒並んでいた。
それであれが…
「バグベアか?!」
「はい」
そこにいたのは全身毛だらけの巨大な猿といったところか…、巨大なゴブリンに毛が生えたような生き物がそこにはいた。
たしかにでかいな…3メートルくらいか?
ゴブ一郎が100センチくらいなのに対して、バグベア達はその3倍くらいありそうだ…。
「は、ハロー?」
「ウオ?」
バグベア達は一斉にこちらに振り向く。全部で20人くらいか?
「ダレダ?!」
一際大きな、バグベアが口を開く。
「ワタシアヤシイモノジャナイヨ?ミンナタベモノスキトキイタヨ、ウチノシロニクレバタベモノタベレルヨ?」
利央は片言でゆっくりと喋る。
「ナニ?!…ソレハホントウカ??」
「ホントホント!ワタシウソツカナイネ」
バグベア達は集まって相談し始める。
そして…
「オレタチオマエノトコロニイク!!ハタラクノデタベモノクレッ!」
いとも簡単に落ちた。
「…なんか拍子抜けだなゴブ一郎。」
「そうですね…、まあ力は強い奴らですので…力になってくれると思いますが…」
こうして総勢30名程のバグベア達はクーズー帝国の一員となった。
次にオーガという種族を勧誘しに向かったのだが…オーガはとにかく口が巨大で、毛の生えてないバグベアと言ったところだろうか。
知能も腕力もバグベアとほぼ同じらしい。
そしてオーガもほとんど同様の手段でクーズー帝国へと加入したのだった。
食べ物につられるってどうなのさ…。
まあ、それくらいここでは重要なんだろうけど。
とにかく順調に戦力が増えていってるな!
バグベア30にオーガが50。良いねー、着実にクーズー帝国…俺のニートライフは実現に向けて歩みを進めてるねぇ。
さて、この調子でどんどん仲間を増やしていこう!!
多くて困るなんてこと絶対ないもんね!!!
利央は魔王への歩みをまた一歩進めていく。
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