第3章「トイエス共同墓地」
「それにしても…広すぎね?」
俺たちは考えられる最強戦力で、トイエスという街にある墓地へと来ている。
ケル吉にスネ夫にチャカを始め、ゴブ一郎率いるゴブリン軍団とシャーリーにドンファン君、それに今回はジーバ君もいる。
ダークドワーフ達には城の警備と開発を任せている。闘えるのがディグ蔵1人しかいないが、この前ディグ蔵はいきなり出てきた小さめのスネ夫のような蛇を瞬殺していたので全然大丈夫だと思う。というかあいつ…かなりやるな。
なんでこんな戦力を呼んできたのかというと…場合によっては数万のスケルトンが一気に手に入るという事で、この作戦の重要度はかなり高いのだ。
といっても、見張りの衛兵を気絶させ、後はジーバ君とシャーリーが行う大儀式とやらが終わるまで守るだけだ。
まあ…普通に楽勝っしょ!
不安な点といえば、墓地が思った以上に広かったということくらいだろうか。
見渡す限りの範囲に、墓標のようなものが立っているのが見える。ここまでくるともはや怖いとかは無いよね…。なんか壮大な感じがする。
「それではリオ様、既にゴブリンの方々が衛兵を倒してくれたので、さっそく私はシャーリー殿と儀式にかかりたいと思いますぞ」
「私は魔力を供給するだけだけどね」
「おけ!頼むわ!!」
ジーバ君が何やらブツブツと…カタカタと呟くと、周囲に巨大な魔法陣が展開される。
幻想的な光景なのでしばらく見ていたいが、そうもいかない。
「じゃあみんな!散開して!!作戦通りに頼むよー」
まあ…何も起こらないっしょ!!
「何だ?!あの光は??」
「本当だ!墓地の方じゃないか??」
トイエスの街は突然現れた光に騒然となる。夜の街に明かりは少ない…だからこそ墓地の方から差してくる異常に明るい光に、住民たちは直ぐに気づいた。
「なんだぁ?騒々しいな」
巨大な大剣に重量のありそうな鉄製の巨大な鎧…。ただでさえでかい体がより一層大きく見えるような重厚感のある装備に身を包んだ男は街の様子がおかしいことに気づく。
「スティーブン隊長!!何やら住民たちが騒いでいます」
スティーブンと呼ばれた大柄な男は、リアが所属するナオス騎士団において重装騎士を束ねる隊長であり、幹部である。
「見りゃあ分かるわ!…なんだぁ?あの光は」
「どうやらこの街にある共同墓地が光の発信源だそうです」
スティーブンの目には夜中であるにもかかわらず、異常な程明るい光が飛び込んでくる。見るからに異常な事態であると即座に分かるくらいに。
「クソっ!国境で帝国と小競り合いかと思えば、今度は何だよ全く…」
スティーブンたちは所用で国境から一時的に離れ、王都へと向かう途中にトイエスに立ち寄っていたところであった。
「…とにかく行くぞ!あれは見るからに"異常"だしな」
スティーブンたちナオス騎士団数十名は、足早に墓地へと向かって行った。
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