第3章「クーズー城要塞化計画」
「はーい!みんな並んで〜。自己紹介を始めまーす」
今は新たに加わった新メンバーを既存のメンバーに紹介しているところだ。
ダークドワーフ達はあの洞窟に1000人くらい住んでいたので流石に全員を連れてくるのは無理だった。
凄いよね、蟻の巣みたいに地中深くまで掘り進んでそこに住んでるんだから。
本当の蟻みたいにうじゃうじゃ出てきた時はびっくりした。
それでダークドワーフの中でも建築だったり、工芸の能力が高い100人程にクーズー城に来てもらったのだ。
それでその100人が今初顔合わせの挨拶をしているという訳である。
「無事に挨拶が終わりました魔王様!」
1人のダークドワーフが満面の笑みで報告にくる。
「うむ…ありがとうディグ蔵君!」
俺が闇属性魔法で力を与えたダークドワーフにはディグ蔵と名付けた。
元々の名前があったのだが、余りにも長かったので勝手にわかりやすい名前を付けさしてもらった。
ディグ蔵はニコニコとこちらを見ている。
ディグ蔵にはダークドワーフ達の指揮を任せようと思う。
それで他のダークドワーフ達にも闇属性魔法で力を与えようと思ったのだが…
それはジーバ君に止められた。
なんでも指揮系統がどうのこうのだったり、報酬がどうのこうのとやや難解な話だったから聞き流したのだが…
要は頑張った奴は幹部に昇格!!みたいな感じにした方がみんなやる気を出すらしい。
そういう意味ではゴブ一郎配下のゴブリン軍団はエリートだな。全員強化されてるから…まあ切り札的存在?
てな具合で今後も魔王軍をしっかりと運営していきたいと思う。
「じゃあディグ蔵君!さっそくやってほしいのが…ジーバ君の結界の手伝いと、城の周囲に城下町的に街を作ってくれ!」
「ほう?…街ですか??」
ニコニコとした笑顔から一変して、ディグ蔵は職人の顔になる。
「そうそう!今後も仲間は増えていくからさ!住む場所をメインに頼むわ!」
「了解しました!」
「それと…更にそれを囲むように壁を作ってだな…」
「しかしそれだと資材が…」
「問題ない!スケルトンを大量生産中なのでそいつらを使って…」
「おお!でしたら問題はないかと…」
「それで壁の上にはこーんな感じの大砲をね…」
「大砲とは一体?!…おお!これは凄い形状ですね…」
2人の話し合いは長時間続いた。
「良しっ!こんなところか。じゃあ頼むぞディグ蔵君」
「はい!!目を見張るような、実に魅力的な提案の数々。さっそく魔王様に我々ダークドワーフの有益性をお見せいたしましょう」
そう言ってディグ蔵は小走りで去っていった。
これでクーズー城は難攻不落の要塞になること間違いなしだな。
「いい感じいい感じっ!それで次は…」
利央が満足げな顔で次の計画を練っていると
「おおリオ様!ここにおりましたか」
重力を感じさせないふわりとした動きでジーバ君がやってくる。
「どうしたジーバ君?」
「それがですなリオ様…。良いことを思いつきましてな」
ジーバ君が悪い表情を浮かべた。…気がする。
「聞こうじゃないかジーバ君!なんか良い予感がするしね!」
「流石はリオ様!!その通りです!とても良いことですな!…シャーリー殿が現在スケルトンを作っていますな?」
「そうだね!」
「しかしシャーリー殿の魔力では1日に五体が限界…それだと労働力の確保にかなりの時間が必要になってしまうと思われますぞ」
「まあそうだけど…もしかしてジーバ君もスケルトン作れたりするん?!」
「私も作れる事には作れるんですがな…シャーリー殿のように0から生み出すことは出来ないのですぞ。シャーリー殿はああ見えて優秀な死霊術師ですな」
「へぇ、シャーリーって意外と凄いんだね」
身体のある部分がでかいだけの人かと思っていたが…そういえば死霊術とかいうカッコいい技を使えることを思い出して少しだけ申し訳なくなった。
「それでここからが本題なのですが…この森、デスデモーナ大森林から1番近くの王国の街"トイエス"というのですが…なんとこのトイエスには王国最大の"墓地"があるんですぞ」
「ほへ?!墓地があるからなんなのさ」
「ちっちっち、リオ様!私は先程なんて言いましたかな?」
「シャーリーは優秀って…」
「それも言いましたが…それではなくてですな。"0からは"スケルトンを作ることは出来ないと言ったんですぞ」
「って事はまさか?!」
「そうです!!墓地の死体から大量のアンデットを生み出して、手っ取り早く労働力を確保しましょうぞ」
「おお!!すげえジーバ君!!天才かよ!!!」
「ありがとうございますぞリオ様。それに私は大儀式を用いて一度に数千から数万のアンデットを生み出せますからな」
「すげぇーーーー!凄すぎて惚れそうだよジーバ君!!!」
「フォッフォッフォッ。では次の目標は決まりましたな」
「そうだな!!死人に口なしというが、死人に拒否権なし!!!勝手に持っていっちゃうもんねー!」
利央達の次なる目標は決まったようだ。
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