第3話 親との関係

街を正しく歩くには何と言っても両親との良好な関係が不可欠であります。両親に負い目を感じ、「その醤油を取って頂いてもよろしいでしょうか」のような口振りで話すようでは、街を正しく歩くなど夢のまた夢なのであります。

こういう事態になったのも、実のところ両親にも問題があると言わざるを得ないのが現代の風潮であります。教科書のテキスト通りに物事を伝え、テレビに映る犯罪者を見るたびにお前もこんな風になるんじゃないぞと教える。これがいかんのであります。

良い親を演じることに躍起になり、実のところ子供のことを考えていない。これでは子供が正しく街を歩けるようになるわけ無いのであります。

しっかりと、この世には光あるところには闇がある、犯罪も世界の形成要素の一つだと教え込まなけれならないのでありますから、親というものは非常に責任重大なものとなるでしょう。

これも然るに文字というデジタルな近代アイテムが、情報伝達という枠を超え、本来の役割から外れすぎたからであります。文字はあくまで事実を伝える情報伝達の手段であり、決してこの世を必要以上に美化させる調味料ではないのであります。

過度に味付けされた現代の情報化社会は、この文字というウイルス化したデジタル信号に食い尽くされ、人類絶滅の危機もあと数世紀先には待っているのではないかと感じられるのであります。

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