1.…(22)
母がよくおにぎりやサンドイッチを開けて
父に渡していたのを思い出していた。
「パン、食べるなら袋から半分」
大
「俺は今運転中なんだよ。今は無理だ」
私が全部言い終わる前にかぶせてきた
そう言われてしまえば
何も言えなかった。
「わかった。ごめんなさい」
大竹さんは、暫く黙ったままだったが
渋滞から抜けて少し気が楽になったのか
「パン美味かった?」とやっと口を開いてくれた。
「うん。お陰様で、朝も食べたいくらい」
大
「米よりパン派かな?さては」
「そうなんですよ!あ、米も好きなんですけどどっちかと言ったらパンです」
大
「さっきは、悪かったよ。ながら行動は
別に不得意とかはないけどハンドルを握ってる時はね他の事が考えられないんだ。」
ずっと、気にしていたが
彼も気にしてくれていた様だ
「あ、私も失礼しました。
私の両親は、母がパンとかを差し出して
父は食べながら運転を普通にしてたんです。よく考えてなかった証拠ですね。」
大
「ん?出そうとしてくれてた?」
もしかして、食べないの?って
私が聞こうとしてたのかと思ったのかな
「はい、袋から半分出して、渡そうと」
大
「それは。マジでごめん、そうか気を使ってくれたのにな」
マジかぁ。。と小さく呟いていた
いつの間にか、グループホームの近くまで
戻ってきてた。
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