1...完

1.…(23)

18:00を少し過ぎた頃に

グループホームに着いた。


大竹さんは車椅子を手早く

降ろし、私は助手席から降り

荷物を出していた。


もう会うこともないだろう

と思っているのは私だけではないはず


「今日1日、色々とありがとうございました。楽しかったです。1人だと中々遠出をしないもので」


「俺の方こそ、俺1人だとわざわざソラマチとか行かないし、楽しかったよ。これは今日のお礼ってことで食べて」


そう言って差し出してきた紙袋をみて

私は驚いた。


お昼ご飯を探す前に

妹の手土産にしたいから、と

チーズケーキのお店に立ち寄ったのだ。


私の分まで。。

何だか気を遣わせてしまった感がある。


「え、いや、あの良いんですか?

妹さんの分じゃ」


おずおずと受け取って

お礼を伝えて、車が見えなくなるまで

お見送りした。


その夜、ある事に迷っていた


今日はありがとうございましたと

改めて送るかどうか


くどくなるかな

うぅむと1人唸ってスマホの画面とにらめっこをしていたが


ヘルパーさんに

呼ばれ保留になった。


が、翌日すっかり忘れていた。

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