第2話 告白

 入学式が終わり今日で4日目。今日から授業が始まる。

 まさとは通学時刻の一時間前に学校へとつく。あまりみんなと同じ時間帯にでるとリア充に遭遇してしまうからだ。 

 まさとは4階の教室へと足を運び、教室 1-1へとはいる。と、ふと横の掲示物が目に入った。

 ‘‘交際グル・・・1年1組 15名 非交際グル・・・1年1組 5名”

その文字の下には名簿が貼られていた。リア充どもには丸がついている。もちろん俺にはついていなかった。

 (交際…か)

 まさとは深くため息をつく。そこから彼は1時間教室で沈黙とともにするのだった。

 


 1時間後、ついに1時限目が始まった。今日は初日なので自己紹介で終わることができた。

 2時限目からも同じような内容だった。

 そして帰りの時間。まさとは帰ろうとリュックに手を伸ばした時だった。

 「まさとくん!今・・・時間空いてる?」

 同じクラスの佐々木さんだ。

 「あの、私と付き合ってください!」

それは唐突だった。佐々木さんはクラスの中で8番目にかわいいと思われる生徒で、彼女もまた交際グルにははいっていなかった。そんな彼女が、まだ教室にはほとんどの生徒がいるのにもかかわらず告白するとはまさとも想定していなかったらしい。まさとの手は汗まみれになってしまった。

 (俺が…!?) 

しかしまさとはすぐさま落ち着き、深呼吸をし、こう答えた

 「ごめんなさい。」

これだけ言ってまさとはその場を去っていった。



きれいな夕日の光が電車の中へと移りこむ。 まさとは電車のなかで一日の反省をすることが日課だ。なぜこくられたのか。今日の話題はそれらしい。

 彼は考えた。なぜ告られたのかを。

 原因1 顔。 おれの顔はまぁまぁスペックは高いほうだと思う。夢の中では。

 原因2 性格。俺の性格はそこそこいいと評判だ。夢の中では。

 原因3 退学しないようにするため。おそらくこれだろう。彼女はとにかく退学を恐れていたに違いない。だから同類の俺に告ってきたのだろう。だが一つ疑問がある。彼女はそこそこかわいい部類の人だ。ほかにもいい奴はいるはずでは・・・。

(まぁいいか。)


その夜、まさとは夢をみてしまった。悪夢を。


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