偏差値13 管理神パンドラ、召喚!?
魔法陣が光った。
「は・・・?え・・・?」
書いてある文字に気づく前に魔力を流してしまった俺は驚きながらデラルテさんを見た。
「大丈夫だよ。心配しないで。」
笑顔で言うデラルテさん。なぜパンドラ様を知っているのか? なぜパンドラ様を召喚させたのか?
「さぁ出てくるよ。パンドラ様のお出ましだ。」
魔法陣の光がさらに強くなり、辺りが光りに包まれた。
「うわぁ!」
「うん・・・?」
光が消えた。・・・召喚できたのか?
「・・・パンドラ様?}
魔法陣の上で白いパジャマ姿の女の子がフヨフヨ浮きながら寝ている。顔に見覚えがあるぞ。
「パンドラ様ぁ?」
デラルテさんが呼びかける。知り合いなのかなぁ?
「むにゃ・・・?誰か呼んだ?」
目をこすって眠そうに起き上がった。・・・浮いてるけど起き上がったっていうのかな。
「パンドラ様ぁ?」
デラルテさんが怖い笑顔で呼びかける。怖い。
「え?・・・あ・・・。カグツチ・・・。あれ?なんでここにいんの?
カグツチ?
「私が、いえ、ソ・ウ・タ・く・ん・がパンドラ様を召喚したんですよ。」
え?
「え?ソウタくんが?あ、こんにちは~ソウタくん、ケイくん」
「こんにちは・・・パンドラ様・・・」
名前をデラルテさんに言ってないのに・・・どうして?
「パンドラ様ぁぁ?何で召喚したかわかりますかぁ?」
「え?って・・・ああ・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
デラルテさんがパンドラ様をにらみ、パンドラ様は目をそらしている。
「ごめん!帰る!」
「あ!ちくしょう!」
パンドラ様は空中に手をかざし、空中に出した魔法陣に飛び込んだ。
「逃げられたか・・・。まぁ大丈夫。ソウタくん!」
「は、はい!」
「もう一回召喚だ!魔力を流すだけでいいから!早く!」
「え、できるんですか!」
「そういう仕様なんだよ!早くやって!」
「わ、わかりました!」
魔力を流すとまた魔法陣が光った。
さっきよりは弱い光に包まれ、パンドラ様が出てきた。
「ええ!?何で?召喚拒否してるのに!」
・・・それは、着信拒否みたいなものですか?
「さぁ!逃げないでくださいよ!ソウタくんがいる限り何回でも召喚できるんですからね!」
俺、モノ扱い?
「逃げる!」
「あ、また!」
※同じことの繰り返し✕3
「・・・はぁ。はぁ・・・。くそー。わかったわよ!諦めるわよ!で、何!」
デラルテさんに追いかけられ、ボコボコにされて半泣きになっているパンドラ様。
「何で私がパンドラ様を召喚したかわかりましたか?」
「何って、勝手に転生させたこと?」
「それもそうですが、パンドラ様。・・・普通神とはいえパンドラ様を召喚できますか? 私じゃなくて
ソ・ウ・タ・く・ん・が召喚したんですよ。」
「・・・・あっ!」
「わかりましたか?」
「それで怒ってたのか!」
「そ・う・で・す・よ・!何をしたんですか?」
「あーーーっと。え~~~っと。・・・ちょっとね。色々と・・・。」
目をそらしながら言う。
「正直に言わないと・・・」
デラルテさんは右手の手のひらから白い炎を出した。
「この炎で・・・」
「あーーーーーーーーーーーーーーーーー!わかったわかった!!それはやめて!言います言います!だからやめて!」
顔が青ざめている。あの炎、そんなに怖いんかな。
「ええ~!そんなことをしたんですか!」
「そうだよ・・・」
傷を魔法で直しながらふてぶてしい感じで答えてる。
「なるほどね。それでああなったんですね。」
チラッと俺を見た。
「大変なことをしたってわかってるんですか!」
「あの~。俺に神レベルの魔力があるってことですか?」
「違うよ。君には神以上、いや、管理神である、このパンドラ様以上の魔力が君にはあるんだ。」
「えええ!?」
俺、パンドラ様より強いのか!
「いや、君はパンドラ様より弱いよ。」
「え?」
「まだ魔力の使い方も知らないし、魔法も数えるほどしか知らないし、こ・の・ま・ま・だとそこら辺の魔法使いより弱いね。」
「うう・・・そこまで言わないでも。・・・デラルテさんはパンドラ様のことをよく知ってますけど、知り合いなんですか?」
「知り合いっていうか、私はパンドラ様の部下だよ。」
「え?部下?」
「そうだよ!私の優秀な部下でね、火之迦具土神ひのかぐつちのかみだよ!」
「え?ひのかぐつちのかみ?神様だったんですか?」
「そうです。カグツチとよんでください。この世界は広い。管理神といえど、世界のすべてのことを知ることはできない。私達が世界を回って、この世界の状況、人々の幸福度、色々なことをパンドラ様に報告するんです。」
「え?じゃあサーカスしてたのは・・・」
「そういうことだよ。ピエロのフリをしてサーカスをし、どれくらいの人が来るか、どれくらい喜ぶか、調べていたんだ。」
「あの4人は人間ですか?」
「いや、神様だよ。えいっ!」
デラルテ、いやカグツチさんが指を鳴らすとズラッと横にあの4人が出てきた。見かけないと思ったら、そうだったのか。
「わしは石折神いはさくのかみじゃ!岩の神じゃ!」(茶色)
「俺様は武甕槌命タケミカヅチノミコト、雷神だぜ!」(黄色)
「ワタクシは大山祇神おおやまつみのかみ、山神です」(緑色)
「アタシは闇御津羽神くらみつはのかみ、水神よ!」(青色)
「え!カグツチさんから出てきた!」
「で、私はカグツチ。神話で知ってると思うけど、イザナミさまを殺してしまったんだ。この炎でね。」
そう言うと右手から炎を出した。
「これは、さっきの・・・」
「そう。【神殺しの炎】さ。神は死なないから、日本でいうと黄泉の国に行くだけなんだけどね。」
「行くだけなんてとんでもないわ。あの炎を食らったら、焼き死ぬか、大やけどをするか、病気になるの。魔法では治せないから、自然に治るのを待つしかないの。絶対食らいたくないわ。」
「それでさっきパンドラ様あんなに嫌がってたんですね。」
「そうよ。一回食らったことあるもの。」
「・・・・・」
「私はイザナキ様に斬り殺されたんだ。私の体から生まれたのがこの4人さ。普段は私の中にいて、好きなときに出てくるんだ。」
「便利ですね。」
「今回、パンドラ様から転生者を勝・手・に・呼んだって聞いてこの村に来たんだけど・・・。」
「さっきのルーペみたいなもので魔力量がやばいってわかったんですね。」
「そう。普通転生者は魔力が高かったり、レアスキルを持っていたり、何かしら強いんだけど、ソウタくん、君の場合は魔力量が高・す・ぎ・た・んだ。」
「結構大変なことですよね。」
「そうなんだ。いくら転生者といえどパンドラ様以上の魔力を持たれたらたまったもんじゃない。もし君に暴れられたら私達じゃかなわない。」
「さっき俺はパンドラ様より弱いって・・・」
「暴れたら別だよ。君は暴れることはないと思うけど、このままほっとくのはね。」
カグツチさんはジーーーーーーーーっとパンドラ様の方を見る。
「え~~~~と。何?」
苦し紛れに笑顔を見せる。
「・・・パンドラ様いくら予言とはいえ、強すぎます。なんとかしてくださいよ。」
「なんとかって言われても・・・かんがえとくよ。とりあえず、カグツチ。ソウタくんを見守っといてよ。」
「私がですか??」
「同じ日本出身なんだし、他の神よりいろいろ気が合うでしょ。魔力の使い方とか教えて上げてよ。その間に考えとくからさ。」
「わかりましたよ。じゃあその間報告なしでもいいですね?」
「いいよ。」
「早めに考えついてくださいよ。もしなんにも考えなかったら召喚して即これですよ。」
炎を見せる。
「ああああああわかったわかった。早めにするから。じゃぁね!」
「あ!ちょっと!」
「行っちゃいましたね。」
「この魔方陣でまた呼べるんだけどね。」
「・・・やめてあげましょう。パンドラ様だって忙しいんでしょう?」
「どうだかね。ま、とりあえずパンドラ様がなんとかするまでこの村にいるよ。君に修行させなきゃだしね。」
「げ!」
「あのーーー。ケイなんですけど。話がすごすぎて半分くらいわかんなかったんですけど・・・」
「(あ、ごめん)」
わかりやすくカグツチさんと二人で説明した。
続く。
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