偏差値12 サーカスが終わって・・・

 「ケイくん、ちょっといいかい?」


「なんですか?」


「ちょっと失礼するよ。」


デラルテさんは腰の袋からルーペみたいなのを取り出した。


それを覗いて俺を見た。




「や・っ・ぱ・り・・・・。君がそ・う・なんだね。・・・・・ってえ?えええ?」


どうしたんだろ。「やっぱり」ってバレたのかな。俺が転生者だってこと。


「あの。やっぱりって・・・」


「いや、なんでもないよ。ごめんね。呼び止めちゃって。」


「いいですけど・・・。何か用ですか?」


「さっきショーを手伝ってもらったからね。そのお礼をしようと思ってね。」


「あ、さっきって。すみません。あんな大きな炎を出してしまって。」


「いいんだよ。ワタシは火のお手玉が得意なんだ。あの大きさでも大丈夫だよ。」


「ふぇ?って言ってましたけど・・・」


「急だったから少しびっくりしてね。まぁ大丈夫だよ。」


「そうですか。すみません。」


「謝ることはないよ。・・・でもあの大きさの炎の「ファイア!」を出せるということは君、魔力量が相当多いでしょ。」




「ああ、そうなんですよ。・・・ちょっと困ってますが、なんとかやってます。」


「君は普段どんな魔法を使っているんだい?」


「えっと・・・「ファイア!」、「ウィンド」、「ウォーター」、「ディグホール」(落とし穴)、ですかね。」


「結構使ってるね。どれも威力が高くなってるんだろ?」


「はは・・・そうですね。『ディグホール』は畑一面分の穴ができます。」


「大変だね。・・・『召喚』はできるかい?」


「できません。ていうか『召喚』という魔法があるんですか?」


(ありますよ。でも「召喚師」という職業の人しか普通つかえません。)


「あるよ。でも『召喚』は少し難しくて、魔力が『ファイア!』とかより多く必要とするんだ。君の魔力量なら大丈夫そうだし、ショーのお礼に教えてあげようか?」


(変ですね。さっき言ったとおり「召喚」は「召喚師」しか使えないはずです。デラルテさんはピエロであって召喚師ではありません。何で知っているんでしょうか?)


(確かに不思議だな。でもせっかく教えてくれるって言ってるんだし、教えてもらおうじゃないか。変だなっと思ったらその時やめればいいんだし。)


(ソウタがそう言うんならいいですけど・・・)


「それではお言葉に甘えて教えてもらいます。」


デラルテさんが一瞬二ヤッとした気がした。


「じゃあね、まずは・・・」






召喚は地面に魔力をこめて魔法陣を描き、それに魔力を流すことでできるらしい。


色々な種類があり、契約召喚、ランダム召喚、通常召喚、強化召喚・・・


召喚する物はモンスターや精霊だけでなく、人も可能だそうだ。


召喚師は人を召喚し、つまりワープみたいなことをする職業なのだそうだ。




まず、簡単な魔方陣をデラルテさんが描き、魔力を流すと魔方陣が光り、小さなネズミみたいなモンスターが出てきた。


「これが召喚さ。この魔法陣の描き方を覚えるのが大変で、面倒なんだけど、一回覚えたら楽さ。ワタシのまねをして描いてみてごらん。」




まねをして書いてみる。・・・結構複雑だな。


「そうそう・・・いいよいいよ。」




ん?文字が書いてあるぞ。見たこと無い文字だけど、読める。


「はい!後は魔力を流して!」




そこに書かれた文字は・・・・






ーーー女神ーー--パンドラーーーーーーーーー強制召喚ーーーーー




続く。

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