偏差値11 デラルテ・サーカス 「コメディア」

  サーカスが始まった。




「まず最初にデラルテによるマジックです!どうぞ!」




「はいまずはこの帽子とマントを御覧ください!なんの変哲もないものです。今から帽子にこの林檎を入れます!」


りんごを帽子の中に入れた。


「さぁ逆さにしてもりんごは落ちません。それどころか消えてしまいました!」


おお。ほんとだ。


「そしてさらに~この帽子を指で弾くと鳩がたくさん出てきま~す」


デラルテが帽子のつ・ば・を指で弾くと、


バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ・・・・・


ありえへん量の鳩が出てきた。普通1羽か2羽じゃない?


「はいはいまだまだ出てきます。どんどん出てきます。いつもより多く出しています!」


普通いつもより多く回していますじゃない?出すって何?これ手品?


「おおーーすごいすごい。」


「何であんなに鳩が出るの?」


観客の反応はいいな。・・・出てきた鳩たちが飛び回っている。


(何で鳩なんですか?)


(それ聞いちゃだめ!出しやすいんじゃない?)


鋭いとこ突くな。




「続いてこのマントを広げると・・・」


鳩たちが一斉にマントの方に飛んでいく。


「このように鳩が消えていきます!」


鳩が突っ込んでいくたびにマントを翻す。そうするとマントの影に入った鳩が消えていく。どうやってんだろ。




その後棒が勝手に飛ぶマジックやハンカチが無限に出てくるマジックなどが続いた。




「次は全員で曲芸です!」


フラフープや大玉椅子などを出してよくある曲芸をしていた。


観客には大ウケだ。ケイやマインも楽しんでいる。


一人黄色の人が真ん中に出てきた。


「今から剣舞です!」


たくさんの短剣を出し、舞い始めた。始めて見たが、きれいだな。


「剣をすべて上に投げすべて避けてみせます!」


お、何をするつもりだ?危ないぞ。


「いきます!っせい!」


二十本くらいの剣をすべて投げた。  なんと地べたに仰向けに寝た。




なんと剣は体の周りに取り囲むように地面に刺さった。


「さぁどうでしょう!剣は一本も刺さりませんでした!」


仰向けのまま大声で叫んでいる。少しシュール。


観客は少し静かになっている。ちょっと怖いもんな。


(すごいですねあの人。避けた。というより刺さらないように投げた。ですけど。)


(はは・・まぁすごいじゃないか)




「すこし元気がなくなりましたか?お次は綱渡りです!」


緑色の人が出てきて、地面を叩いた。すると地面が揺れ、にょきにょきと木が2本生えた。


「さぁもういっちょ!」


その2本の木の幹をココンっと叩いた。 すると幹からつる植物が生えてきて2本の木の間に綱ができた。


すごい。てかこれ魔法じゃね?これ見せられると最初の手品がかすみそう。観客のテンションが上がってきたしいいのか。




「この綱をこの二人が渡ります!」


茶色の人とデラルテさんだ! 黄色の方は自転車でデラルテさんは一輪車だ。木製の。


「いきますよ!」


最初は茶色の人か。おお、進みにくそう。木製だし。綱意外と細いし。黄色の人でかいし。


無事渡りきった。つぎはデラルテさんだ。


「いっくぜ~!」


おおっ張り切ってるぅ。でも一輪車だ。  おっと危ない。一瞬落ちそうになった。


無事渡りきった。っと思ったら?


なんと二人で同時に渡り始めた。スイスイ渡り。デラルテは一回飛んで渡った。さっき落ちかけたのは演技か。


これには会場大盛り上がり。これはすごい。




もう一回緑色の人が木を叩くともっと伸びてテントの天井ギリギリまで伸びた。そして木に手を当てて念じるとつるが伸び、ブランコになった。


「さぁ!空中ブランコです!」




これはすごい。 五人全員で代わる代わるブランコに乗り移って空中で回転を決めたりしている。なんといってもスピードが速い。つるだから切れたりしないのかな。




あっ切れた!




っと思ったら落下中につるが伸び、ネットになった。全員無事だ。


会場は一瞬ああってなったけどまた盛り上がった。




緑色の人が木の幹をさすると、木は吸い込まれるように地面の中に消えた。やっぱ魔法だな。




「お次は瞬間移動・人体切断マジックです!」


マジックを入れたらそれはもはやサーカスなのか?という疑問をいだきつつ、ショーを見た。




大きな箱が出てきて、中に黄色の人が入った。鎖や紐で厳重に縛られ、箱も絶対出られないだろレベルに縛られ、黒い布がかけられた。




5秒後、布が膨らみ、布を取ると、黄色の人が立っていた!


しかも箱は紐や鎖などで縛られたまま!箱を開けると中に縛っていた鎖や紐などが結び目そのままにあった。


どうやったんだろう。思うんだが、こういうのって種が全くわからん。


「大成功です!お次は人体切断です!」


こういうグロイ系のマジックはウケるのかな。


(え!切るんですか!死なないんですか!)


(死なないよ。そういうマジックなんだよ。)




「さぁこの台の上に乗せられたコロンビーナ(青色)!箱を被せ、この剣で真っ二つにします!」


台の上に女性が横たわり、剣で斬られるというありがちなものだ。




「ってーい!」


黄色の人が剣で真っ二つにした。スパッといったけど大丈夫かな。・・・普通スパッといくか?


剣の先から水滴が滴っている?どういうことだ?




「ご覧の通り大丈夫です!」


なんとコロンビーナさんは上半身は手を使って起き上がり、下半身は台から降りてあるき始めた!!


そのままスタスタ歩き、台に戻ってきて、また戻ってくっついた。そして台の上で起き上がった。




・・・端から見ればホラー映画だよ。すごいけど観客ドン引きだ。




「っはいっ!さぁ次はデラルテ(赤)他によるお客さんと一緒に曲芸ショーです!」




無理矢理進めた・・・いいのか?




「はい!デラルテたちと一緒にサーカスをしたい子達は手を上げて~!」


「「「「はーい!」」」」




めっちゃおるやん。(思わず関西弁)




子供たちがステージの方に出てピエロたちと曲芸の練習を始めた。




「ケイくんも来なよ!せっかくなんだからやってみなよ!」


「いや、俺は・・・」


「行ってきなさい!ケイ、ソウタ。誘われたのを断るんじゃない!」


「わかりました。(わかりました・・・)」




ステージの方に行くとデラルテさんのところに連れて行かれ、火の玉お手玉の練習をさせられた。




「いいかい、ケイくん。ワタシが合図したら魔法『ファイア』をしてください。君は魔法を使えるね?」


「あ・・・は、はい!」


ファイアか。大丈夫かな。




「よし、じゃぁ頼むよ!」


「はい・・・」






他の子供達とピエロによる曲芸が終わり、いよいよ俺とデラルテの番になった。




「今からワタシとケイくんの火の玉お手玉です!さあ!どうぞ!」


えーーーと。


「ファイア!」




嫌な予感通り大人ぐらいの大きさのファイアが出た。これでもだいぶ抑えたんだが。




「ふぇ!?」




一瞬パニクったが、なんとか火の玉を手の上で回した。




「さ、さぁどんどん出してください!」




「い、いきますよ・・・ファイア!・・・ファイア!・・・ファイア!」




どれも大人ぐらいの大きさだ。これが限界だ。




みんなは知ってるから大喜びだが、サーカスの人たちはすごく驚いてる。




「・・・・さぁ終わりです。手伝ってくれたケイくんに拍手を!」




みんなは俺に、というよりあの大きさの炎をさばけたデラルテさんに拍手を送った気がする。デラルテさん。すみませんでした。




「これにてサーカスは終了です!見てくださってありがとうございました!」




無事、サーカスは大きな拍手と共に終わった。








終わったあとーーーーーーー




「ケイくん、ちょっといいかい?」


デラルテさんに呼び止められた。


さっきのことで怒られるのかな。




続く。

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