偏差値5 ケイとの会話
(聞こえてるよ)
(あ、やっと返事した。お前は誰だ! お前のせいで体を動かせないし、何なんだ!)
(えーっと、まず落ち着いて俺の話を聞いてくれ。俺は真殿蒼汰。お前の体に転生した。人間だぞ?)
(転生・・・?)
俺は異世界にいた人間で女神パンドラに頼まれ転生したこと。神レベルの魔力を宿されたこと。で雷のせいでケイの体に転生してしまったことを話した。
(ふーん。信じにくいですけど今こうやって話しているし本当なんですね。)
(本当だよ。で、ケイが目覚めないから記憶喪失になったふりをしてマインに村を案内してもらってい
たんだ。)
(マインに?)
(え?なんか変か?)
(マインは絶対そんなやさしいことをするはずがない・・・なんかたくらんでいるに違いないです・・・)
(え、幼馴染じゃないの?それに記憶喪失になってた(フリ)なんだからやさしくてもいいんじゃ・・・)
(普段僕をからかったり、殴ったり、いたずらしてきたり、僕だけにしてくるんですよ?)
(うーん。まあいいじゃないか。ケイが目覚めたんだ。もう記憶喪失の振りしなくていいんだ。)
(そ、そうですか。)
(それで俺がケイの体にいることなんだが、家族とマインには言って、他の人には黙っておこうと思うんだ。)
(なんで?)
(家族とマインにはケイが記憶喪失になったと言っちゃったし、安心させなきゃいけないし、ごまかしきれない。だが他の村人に言ってみろ。2つの人格を持っている人間なんてめずらしいし、誘拐されて見世物にされるかもしれない。)
(まあ、わかりました。でもマインにも?)
(お前とマインは親しそうだし、隠しきれないだろう。)
(仲はよくないですよ!)
(えぇ?でも、俺が目覚めたときマインは涙を流して抱きついてきたぜ?)
(そんなことがあったんですか・・・)
(そうだよ?まあ、とりあえず、俺、ソウタがケイの体に入っていることを家族とマインだけに言うぞ。)
(わかったよ。 ん?でもソウタが体を動かしているけどどうやって僕がいることを証明するんですか?)
(多分だが、俺とお前は入れ替わることができる。アニメや漫画ではたいていできる。)
(あにめやまんが? できるんですか? どうやって?)
(わからない。いろいろやってみよう)
(はぁ。)
それから色々やってみた。頭を殴ってみたり体を動かしてみた。目の前にいたマインがめっちゃ驚いていた。今度から誰もいないところで試したりしよう。白い目で見られるのはいやだな。
(何も起きませんね。)
(そうだな。うーん。できないんかな・・・)
力を抜いてみた。その時、
(ん?)(お?)
(今入れ替わりましたね! なにをしたんですか?)
(いや、ただ力を抜いてみただけなんだが。)
(力を抜けばいいんですか。やってみます。)
(お?)(ん?)
(成功ですね!)
(ああ、そうだな。)
(これで入れ替われますね!・・・というかもともと僕の体ですよね。やっと取り戻せたといったほうがいいですかね。)
(まあそう言わないでくれ。これから仲良くやっていこうぜ。よろしくな!)
(まぁ。パンドラ様がしたことなんですからわかりましたよ。よろしくおねがいします。)
(とりあえずマインに説明するか。)
(はい)
もう一回入れ替わってマインに説明するか。
「マイン、ちょっといいか?」
「急にどうしたの?黙ったと思ったら急に変な動きをし始めるし、頭がおかしくなったの?」
「違うよ。俺は至って正常だ。記憶が戻ったんでな。ちょっと試してたんだ。」
「試す??」
「マイン、ケイだよ。幼馴染のケイだよ。」
「私のこと覚えてる?」
「怒ったとき、いつも僕にだけ殴ってくるマインだよね?」
(「ぐぼふっ」)
殴られた。
「正解(怒)よく覚えてるね♪」
笑顔が怖い。
続く。
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